5165.2021年7月3日(土) 反戦歌と平和を願う歌

 昨晩BSテレビ東京で「武田鉄也の昭和は輝いていた」を視聴した。反戦歌と平和を願う歌の特集番組だった。この中でタレント・故藤田まことが唄った寺島尚彦作詞、作曲「さとうきび畑」と、新谷のり子が唄った♪フランシーヌの場合♪に強く感銘を受けた。藤田は兄を沖縄戦で喪ったが、その17歳で戦死した兄から亡くなる直前に弟まことに送ったハガキを大切に手にしていた。背筋をぴんと伸ばして声高らかに歌う姿は、亡兄を想ってであろうか涙ぐましいものだった。作詞作曲の寺島自身、不幸にも2度も戦禍に遭い両親、兄妹を失いながら戦後沖縄で米軍車両に衝突死された。その後この反戦歌は、森山良子をはじめ、多くの歌手に歌い継がれている。

 ♪フランシーヌの場合♪は、寡聞にして知らなかったが、ある悲しいドキュメントを下敷きにして作られた。1969年3月30日(日)朝、フランシーヌ・ルコンドさんという30歳の女性が、ベトナム戦争反対や、ナイジェリア内戦でビアフラの飢饉に抗議してパリの路上で焼身自殺した。この事件に心を動かされた日本人、いまいずみあきら作詞、郷伍郎作曲により反戦フォークソングとしてヒット曲となった。

 

 ♪フランシーヌの場合は あまりにもおばかさん

       フランシーヌの場合は あまりにもさびしい

        3月30日の日曜日

          パリの朝に燃えた いのちひとつ

           フランシーヌ ♪

 

 この番組で少々おふざけの反戦歌?も紹介された。別役実が作詞、小室等が作曲して、小室等が六文銭と共演した「ゲンシバクダンの歌」である。

 

 ♪原子爆弾をひとつ

   ポケットに入れて

    新宿を歩いたら

    紀伊国屋の辺りで爆発して

    紀伊国屋がぶっ飛んだ

     ワイワイ原子爆弾は怖いな

 

  原子爆弾をひとつ

   ポケットに入れて

    池袋を歩いたら

    西武デパートの辺りで爆発して

    西武デパートがぶっ飛んだ

     ワイワイ原子爆弾は怖いな ♪

 

 いささかパロディめいた歌詞だが、流石に実在する企業に悪意を抱いて標的にしたと物議を醸して放送禁止になったようだ。

 無邪気に踊りながら唄う今の若手歌手とは異なり、社会的問題を抱え悩みながら心の葛藤をして生きた戦争を知る世代の歌手に気持ちを重ねたい。

2021年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com