5125.2021年5月24日(月) 東京オリンピックは開催、or 中止?

 7月23日の東京オリンピック開催日まで残り60日を切った。世間一般には開催中止もやむを得ないとする声が過半数を超え、有識者からも開催に否定的な声が強い。外国人の観客を締め出して開催するにしても、五輪とパラリンピック選手と関係者、約9万人が来日して新規感染者が出たら、現在の緊急事態宣言下で医療関係を含めて充分な対応が出来るのか疑問が出されている。すでに始まった国内聖火リレーも本来の形ではなく、聖火リレーと言えるようなものではない。大会前に国内の地方都市で受け入れる予定だった外国人選手と地元民との交流計画も次々と中止に追い込まれ、全般的な気分も今ひとつ盛り上がらない現状である。

 こんな状況下で去る21日、コーツIOC調整委員長が、緊急事態宣言下でも開催して問題がなかった世界大会がいくつかあり、例え東京オリンピックが緊急事態宣言下でも開催出来るとIOCの立場を表明した。ただ、このIOCの要人は、オリンピックが他の競技の世界大会と同じ規模、同じ日数の下に開催されたものではないことは先刻承知の筈である。比較にならない比較を例え話に出しても開催を実現したいのだろう。そして、翌22日、この発言に輪をかけたバッハIOC会長の発言があった。「開催を実現するために我々は犠牲を払わなければならない。そうすれば選手は夢を間違いなく叶えることが出来る」と述べて、ネット上でこの発言に対して誰に犠牲を求めているのかと厳しい意見があった。IOCにとっては開催しなければ、得られる収入がなくなり存在自体が意味を失う。ただ、IOC首脳にとっては開催自体に中止声明を出すことは出来ても開催都市の意向を無視してまでも開催に拘るわけには行かない。現時点では、開催国日本政府と開催都市東京都が開催に前向きな立場でいるだけに心強いのかも知れないが、そうするために「開催」へ向けた支援弾を放っている印象が強い。

 いずれにせよ「開催」、「中止」のどちらに決定しても各関係者に相当な損害がもたらされることははっきりしている。今や進むも地獄、退くも地獄となってしまった感がある。それにしても早晩とちらかに決めなければいけない。菅首相は「安心安全な開催」としきりに語っているが、その「安心安全は開催」が出来るのかどうかを国民は固唾を飲んで見守っているのだ。菅首相、小池東京都知事ともに、オリンピックどころではなく現実に新型コロナウィルに振り回されているのだ。今日から東京と大阪で大規模接種センターが始まった。オリンピック開催日は、1日1日近づいてくる。だが、そのためのあらゆる準備は追いついているのだろうか。極力早い時期に菅首相から、はっきり「オリンピック開催」か、「オリンピック中止」を明言して欲しい。そうしないと日本中が落ち着きそうもない。

 さて、今日夕刻になって遠いアフリカから火山噴火のニュースが入って来た。コンゴの海抜3,400mのニーラ・コンゴという山が噴火して首都ゴマまで溶岩が流れ出て迫っている。170人以上の幼児が行方不明となっている。2万5千戸の住宅が灰燼に帰したという。この山は2002年にも噴火して100人以上が亡くなっている。寡聞にして、アフリカにこれほど大きな火山があるとは知らなかった。貧しいアフリカの国らしくコロナに気を付けるのではなくコレラに気を付けるよう飲料水の配布に気を遣っているのがユニークである。とにかく被害が拡がらないことを祈るばかりである。

2021年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com