5124.2021年5月23日(日) 八木哲郎「知的生産の技術研究会」会長逝く。

 昨晩訃報が入りショックを受けている。長年お世話になったNPO「知的生産の技術研究会」(略称:知研)の発起人である八木哲郎会長が、一昨日入院先で永遠の眠りに就かれた。昨年夏機関誌「知研フォーラム」に何か私らしい文章を寄稿して欲しいと話があり、11月にメディア批判の拙稿を送った。ところが、受け取ったとの連絡がなかったので、気になり今年に入ってから電話で確認したところ話しぶりにやや元気がなく、会長自身も体調が悪いので、季刊誌「知研フォーラム」はあと2回発行して終止符を打ちたいと仰っていた。それでは最終号の原稿としてミヤンマーについて書き別途送ると約束し、今月3日に送稿した。その晩電話をしたところ奥様から今入院しているとお聞きして心配していたところだった。もうお話しが出来ないかと思うと寂しいし、残念である。

 思い起こすと八木会長とはかれこれ半世紀近いお付き合いになる。会長は、梅棹忠夫先生の名著「知的生産の技術」に心を動かされ、知的生産を広く若い人の間に啓蒙することが大事であり、それに関わりたいとの信念で直接梅棹先生に交渉し了解をいただき勉強会名を名著に因んだ名前「知的生産の技術研究会」にしていただいた。以降会のため会員の先頭に立ち率先して積極的に活動され、その名はインテリ層の間でかなり知られるようになった。私の処女出版「現代海外武者修行のすすめ」の出版記念会では、「永遠の少年」と買いかぶったお祝いのスピーチをしていただいた。2008年には、韓国束草市で開催された「高齢者社会と将来」に関する国際シンポジウムに知研からパネリストとして派遣していただき、日本人参加者がひとりもいない環境の中で随分勉強になる経験をすることが出来た。

 今日午前日頃ともに親しくしている小中陽太郎氏に電話でお話ししたところ随分落胆しておられた。その後、会長夫人にもお悔やみのお電話をしたところ、今月3日に私が電話した時から日に日に身体が弱っていったと仰っておられた。

 八木会長からお世話になったことは計り知れないほどである。お互いに著作を交換したり、セミナーを開いたこともある。自分の為というより、他人への奉仕のような尊いお気持ちで知研を導いてくれた。感謝の言葉しかない。ただ、今はご冥福をお祈りするばかりである。昭和6年のお生まれと伺っていたので、享年89歳だった。心よりご冥福をお祈り致したい。
 さて、明るい話をしよう。今年のラグビー日本選手権決勝戦は今日秩父宮ラグビー場で、サントリーとパナソニックの間で争われ、パナソニックが31対26で5年ぶりの優勝を果たした。来年からはトップ・リーグのスタイルが少し変わり、日本選手権も少し形を変えるようだ。今日の試合で注目を集めたのは、パナソニックの福岡堅樹選手がこの試合で選手生活を引退し最後の試合で見事有終の美を飾ったことである。彼は筑波大学でもパナソニックでも優勝経験がなかったが、一昨年のラグビー・ワールドカップで華々しく活躍し、オリンピック7人制代表選手に選ばれながら昨年のオリンピックが今年に順延となったために、オリンピック出場を諦め、今季に最後の願いをかけた日本選手権で優勝を果たし、ラグビー人生で残された最後の夢を果たしたことである。今後新たな医学の道で第2の夢を実現して欲しいものである。

 大相撲夏場所は今日が千秋楽である。大関同士の優勝争いとなり、本番の結びの一番では貴景勝に敗れた照ノ富士が、優勝決定戦では貴景勝を返り討ちにして、大関昇進後初めてで4度目の優勝を飾った。横綱不在の場所で、新型コロナウィルスの緊急事態宣言下で無観客だったり、入場制限をしたり相撲協会も苦労されたようだが、無事千秋楽を迎えられて「メデタシ、メデタシ」である。

2021年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com