5123.2021年5月22日(土) 好い加減な防衛装備の費用算出

 昨日の本ブログで取り上げた防衛省が購入予定の代替イージス艦の購入価格9千万円について、野党がこの朝日記事を読んで、昨日衆議院安全保障委員会で政府の説明責任を追及したと今朝の朝日で報じられた。野党はこれまで一体どこに目をつけていたのか。これに対して岸防衛相は現時点で詳細な数値を示すことは困難と応えたようだ。いつもながらの政治家間だけに通るやり取りである。いつまでに資料を提出するという小学校でも当たり前の所作がなぜ出来ないのか。政治家の無責任で幼稚なところだろう。

 この記事については、自衛官上がりの「ヒゲの隊長」自民党参議院議員・佐藤正久氏が、更に経費が大幅に増加する可能性があるとツィッターに書き込んでいたともいう。とにかく防衛予算は伏魔殿であることを改めて世間に知らせてしまった。アメリカの言いなりに高価なミサイル武器をたくさん買わされて国民には黙っていようという政治家の阿漕な魂胆である。相も変らぬ政治屋の紙芝居を見ているようだ。

 さて、中東の地でイスラエルとハマスの停戦が実現して、取り敢えず砲撃合戦は回避されほっとしている。しかし、この停戦は両者が納得したわけではなく、悲報が外部へ伝えられることによって国際社会から非難され、強く停戦を求められたことで実現したものである。当事者の両国には止むを得ず停戦合意をしたという裏事情もある。実際近年になってからも2012年、14年に停戦・再戦の事実があるように、今後いかなる些細なトラブルによって再び戦いが火を噴くかも知れない。況してやイスラエルのネタニヤフ首相の立場は極めて不安定である。仮に平穏であれば、いくつかの収賄疑惑によって政治家として訴追され職を辞さなければならない微妙な位置にいる。戦火は彼にとって隠れ蓑にもなっているのである。

 このイスラエル・ハマスの停戦実現は、一般的には喜ぶべきことである。その一方で相変わらず前進が見られないのが、クーデター後のミヤンマー国内の情勢である。国軍は、一昨年惨敗した総選挙で国民民主連盟(NLD)側に不正があったと主張したが、それはNLDにあやつられていたからだと国軍統治下で新たに発足させた選挙管理委員会が言いがかりをつけている。国軍側は不正について調査報告もせずに、NLDを解党する方針を示した。とてもNLDに太刀打ち出来ないと見た国軍が破れかぶれの手を打った。これでは、今後総選挙が実施されても民主的な政権は期待出来ないばかりか、対立する正式な政党を自らの一方的な都合でつぶしてしまうのは、現実の世界では考えられない。更に、国軍は選挙制度を現在の小選挙区制から総選挙で惨敗した国軍系政党が当選する可能性が高まる比例代表制に変更しようとしている。加えて国軍最高司令官の定年規定の撤廃を決め、来る7月に定年を迎える筈だったミンアウンフライン最高司令官がそのまま国軍トップの座に留まり続ける環境を作った。かつてのスターリン・ソ連首相、プーチン・ロシア首相、毛沢東・中国共産党国家主席、金正恩・朝鮮労働党総書記ら独裁者とやることがまるで同じである。抑え込まれているミヤンマー市民がこのままで黙っているわけにも行かず、抗議運動は益々激しさを加えることが予想される。下手をすると国内が修羅場になる恐れがある。一体いつになったらイスラエルとハマスのような「停戦」に持ち込むことが出来るだろうか。

2021年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com