5101.2021年4月30日(金) 中国の公表統計数字に不審感

 昨日アメリカの議会上下両院合同会議でバイデン大統領が、就任100日を前に施政方針演説を行った。演説の骨子は、アメリカが再び動き出したと述べたうえで、新型コロナウィルス対策で成果を上げたことを強調した。そして、コロナにより失業者が増大したことに関連して雇用対策、特に低中所得の労働者に対する支援を打ち出した。第2次大戦後最大の雇用計画とまで胸を張った。更にタブー視されている銃規制改革まで踏み込んだ。そして最大の目玉は、現在の米中対立の中で中国に対して毅然とアメリカの考え方を突き付けたことが一際目立つ。大統領は、「我々は21世紀を勝ち抜くため、中国やその他の国との競争の中にいる」と語り、習近平国家主席について「専制主義者の彼らは、民主主義は21世紀において専制主義に対抗出来ないと考えている」と述べる一方で、民主主義の優位を示すためにも結束するよう国民に呼びかけた。同時に、「将来において専制主義国家が勝つことはない。アメリカが勝つ。未来はアメリカの手中にある」と大見えを切った。

 トランプ前大統領に比べて、やや力強さに欠け、存在感が霞みがちだったバイデン氏が、思い切った対中攻撃を行い、コロナ対策の成果を強調しつつ自らの存在感と実績を訴えた。バイデン大統領は前大統領と異なり地球温暖化対策に熱心であり、中国が内政干渉とクレームをつける新疆ウィグル自治区のウィグル族の人権弾圧についても強い懸念を表明している。

 ただ、就任直後の施政方針演説としては、CNNの調べでは良かったと応えた視聴者は、オバマ氏の68%、ブッシュ(子)氏の66%、トランプ氏57%より低い51%だった。民主主義、人権擁護派のバイデン大統領の力量が発揮されるのは、まだこれからということだろうか。

 さて、バイデン大統領がアメリカの競争相手と名指しした中国であるが、相変わらず大象のようにぶらぶらして本当の数字と実態がよく分からない国である。例えば、年々出生者が減少し、将来の人口が減少するのではないかと懸念されていた中国では、2019年に対前年比0.4%の人口増だった。加えて、中国国家統計局が昨年11月に10年ぶりに実施した国勢調査の結果、人口が前年より増加したと発表した。だが、これはすでに予定の発表日より遅れているうえに正式に発表されたものではない。人口が減少しているとの観測が広がり、それを打ち消す狙いがあると見られている。実に中国らしい。

 その中国では、相変わらず、コロナの死者数が4千8百人台から増えない。世界的に感染が拡がり、感染者が1億5千万人を超え、死者も315万人を超えている最中にこの国だけはいずれも増えないという摩訶不思議な現象には、どうも世界が誤魔化されているような気がしてしようがない。

 今日妻のワクチン接種について、私より1日遅れたが予約がコンファームされた。ともかく一段落である。

2021年4月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com