5096.2021年4月25日(日) ASEAN首脳会議、ミヤンマーを糾弾出来ず

 昨日ジャカルタで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、クーデターによって政権が転覆されたミヤンマーの安定を議論すべきところ、クーデターの首謀者であるミヤンマー国軍のミンアウンフライン総司令官がミヤンマー首脳として率先して首脳会議へ乗り込んで来たために、他国の首脳としては思い切って真向から議題を取り上げることが憚られるような事態になってしまった。10か国の内、タイ、フィリピン、ラオスでは首脳の出席を見送った。普通ならフライン司令官にとっても腰が落ち着かない場となる筈で、出席者には思い切って司令官を締め上げるべきチャンスだったが、中途半端な形でお開きとなったようだ。

 議長国のプルネイが議長声明を発表したが、パンチの利かないものだった。声明では、①ミヤンマー国内の暴力の即時停止、②国軍と民主派の対話開始、③ASEAN特使のミヤンマー派遣、④ASEANによるミヤンマーへの人道支援、⑤ミヤンマーにおける特使と関係者との面会容認、が盛られていた。拘束されているアウンサンスーチー国家顧問への言及はなかった。

 この程度の声明では、白を黒としてでも押し通す強引な司令官には、まった痛くも痒くもない声明内容である。

 さて、言わずもがなのことであるが、地球温暖化の傾向は年々顕著になり、北極・南極海の氷が溶けだしたり、海面変動の影響が大きいマーシャル群島では島自体が水没化しかねない危険な状況に追い込まれている。シーズン外の台風の発生など気象の変化もこの温暖化による影響が大きいとされ、近年各国で真剣に地球温暖化防止のための対策がなされている。京都議定書からパリ協定(COP25)へ進んだ各国の取り決めが、トランプ前大統領の一方的なパリ協定離脱から協定の先行きが危ぶまれていたが、人権重視のバイデン大統領になって再びパリ協定へ復帰することになった。

 そして、22日オンラインによるアメリカ主催の気候変動サミットが開催され、他の39カ国の首脳と同様菅首相も招待され、日本も新たな提案を行った。

 現在二酸化炭素(CO2)排出量は、圧倒的に1位中国と2位アメリカで占められているが、互いに2030年までに中国は、2005年比65%以上の削減を、アメリカは同じく50~52%削減を目標とすると言明した。日本は従来2013年度比23%削減を目標としていたが、これを46%削減と目標を軌道修正したが、果たして可能なりや?
 各国の基準が異なるせいもあり、統一されておらず、比較しにくい。EUの如きは、1990年比55%以上を約束している。いずれにせよ今年11月、イギリスで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けた舞台が出来上がったわけで準備は整ったのではないだろうか。サミットはその意味でもCOP26へ向けた地ならしと見るべきであろう。

2021年4月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com