5060.2021年3月20日(土) 騒がしかった春分の日

 今日は春分の日である。穏やかな陽気でのんびりした気分に浸れると思いきや、衝撃的な事態とニュースがあった。ひとつは、18時09分に宮城県沖合を震源地とするM7.2、震度5強の地震が発生したことである。今年は先月東北地方を中心にかなり大きな地震が起き、去る11日には東日本大震災10周年を迎えたばかりである。最近東北地方の太平洋沿岸に頻繁に地震が発生している。閉めていた雨戸を急いで開けたが、しばらく揺れは収まらなかった。

 ニュースとしては、7月に開催されるオリンピックとパラリンピックに、海外からの観客を認めないことを今日橋本五輪組織委員会会長、丸川五輪相、小池都知事、バッハIOC会長、パーソンズIPC会長の5者リモート会談で決定したことである。海外からの観客をかなり入場料の当てにしていただけに、収支上は厳しくなるだろうが、約1万人の医療関係者を待機させることを思えば、この処置もやむを得ないかも知れない。

 最も大きな話題を提供したのは、昨日アラスカのアンカレージで、米中の外交トップによる会談が行われ、相互の非難合戦となったことだ。外では雪が撃っていて暗いイメージの中で行われた米中会談だったが、会談は荒れ模様でお互いを非難し合う異例の展開となった。

 会談前に日韓両国を訪れたアメリカのブリンケン国務長官と国家安全保障担当のサリバン大統領補佐官が、中国から来た楊潔篪・政治局員と王毅外相と猛烈にやり合った。最初にアメリカが、中国の行動が世界の秩序を乱しているとして、香港や新疆ウィグル自治区の民主主義や人権抑圧を非難し、東シナ海や南シナ海の威圧的行動、サイバー攻撃などを批判した。それに対して中国が直ちに長い時間に亘って反論し、アメリカは自らの民主主義を世界中に推し進めるのを止めるべきだと痛烈に批判した。更に、新疆ウィグル、香港、台湾などは中国内の内政問題であり、内政に干渉するなと注文をつけた。これではとても意見が噛み合う筈もなく、共同宣言、声明などは発表されなかった。

 今中国が国際社会から厳しく糾弾されるのは、帝国主義的な中国イズムが受け入れられないからだ。内政に干渉すべきではないことは、どこの国も分かっているが、では隣国でありとあらゆる残虐行為が行われていでも、内政不干渉の下でこれも見て見ぬフリをするべきであろうか。今中国で行われていることは、残虐事件とは言わないが、下手をするとそうなる恐れがあり、それを各国が心配して手加減をするべきではないかと親切心で忠告しているのだ。ところが、中国はそうは思わないようだ。他国から干渉されること自体を徹底的に排除して、自己本位のやり方に固執している。この中国の絶対的に他国からの指図は受けないとする頑なな姿勢からするとこれから世界の勢力図はねじ曲がったまま、中国は身勝手な路線を歩むことだろう。

 中国のアメリカへの痛烈に皮肉な攻撃は、一向に止まないアメリカ国内の人種差別にぶつけられた。これについては、奇しくも今日になってバイデン大統領が、16日にアジア系住民8人が犠牲になった銃撃事件が起きたジョージア州を訪れ、止めなければいけないとして差別や偏見の解消を訴えた。確かにアメリカ国内の人種差別は度々起き、その都度世界に伝えられているが、これに対して人種差別視を止めるべきだとの声は外国からアメリカへ直接伝えられていない。これはアメリカへの干渉を遠慮しているからだろう。アメリカも中国の人権問題を取り上げるなら、自国の人種差別をすぐにも止める努力を傾けるべきだろう。

2021年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com