5022.2021年2月10日(水) 債務超過に陥った大手旅行会社

 新型コロナウィルスの影響により、一部を除いて各企業が悪戦苦闘しているが、とりわけ観光業、飲食業界へのダメージが大きい。今日の朝日紙上に大手旅行会社の近畿日本ツーリストや同じ関係会社を傘下に持つKNT-CTホールディングが、昨年12月時点で34億円の債務超過に陥ったという衝撃的な記事が載っていた。近畿日本ツーリストと言えば、旅行業界ではJTBと並ぶ横綱企業である。特に役所関係の旅行入札では、必ず営業担当者が顔を見せていたものだ。それがいかにコロナのせいとは言え、ここまで落ちぶれるとは想像を絶する。尤も「選択」昨年12月号の連載もの「シリーズ企業研究」に「近鉄グループHD-『赤字膨張』で崩壊の瀬戸際」との4頁に亘る近鉄グループの苦しい内情が暴露されていた。大手私鉄の中でも伊勢志摩線の観光路線を抱えて安定した経営を続けていると見られていた親会社の近鉄が、他鉄道会社に先駆けて運賃値上げを検討しているとの情報には些か驚いた。

 ともかく朝日によれば、当面の資金繰りは何とかしのぐようだが、2022年3月末でも債務超過のままだと上場廃止になるというから厳しい。これはKNT-CTホールディングだけが苦しいのではなく、大手JTBの他にも海外旅行でめきめき伸びてきたHISも、昨年「満天ノ 秀そば」というそば店のチェーン展開を始めたようだ。構造的にコロナに立ち打ちできなくなったら、少しでも急場を凌ぐそば屋でも何でもやってみる才覚ど能力が必要であることを教えてくれたように思う。

 さて、1日に起こったミヤンマーの軍事クーデターにより、ミヤンマー各地でアウンサンスーチー国家顧問やウィンミン大統領らが身柄を拘束されたり、自宅軟禁状態にさせられた。軍部に対して彼らの解放を求めるデモ隊が首都ネピドーや最大都市ヤンゴンで広がっている。すでにクーデターから1週間以上が経過したにも拘わらず、意外にもデモは暴動とまではならず、今日まで死者がひとりも出ていない。これが、ミヤンマー人と血の気の多い国民と大きく異なるところである。とにかくミヤンマー人は温和で争いを好まない。何度も現地を訪れているが、目の前で争う人を見たことがない。親しかったミヤンマー人の友人も皆人柄が良く、決して裕福な生活を送っていたわけではないが、ガツガツしたところがなかった。もうそれら友人も大分亡くなった。彼らが生きていたら今度のクーデターをどう思うだろうか。ミヤンマー人の優しさは、良い意味での仏教精神を内に秘めているからではないかと思う。昨日から警察隊がゴム銃を使い出しだが、ひとり弾丸で頭を射抜かれた重傷者が出た。それでも銃の乱射は見られないが、このままデモ隊の要望が通らないとどうなるか心配である。

2021年2月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com