5015.2021年2月3日(水) 嫌われ者はコロナ、プーチンとミヤンマー軍

 世界中が新型コロナウィルスの恐怖に襲われ、その防止対策に早や根を上げている状態である。日本では、一時に比べればその勢いはやや沈静化したとは言え、相変わらず毎日のように緊急事態宣言下の経済活動の懸念や、感染者の対応などが報道されている。日本航空、全日空、JR東日本など大手交通関係が、軒並み約3千億円の赤字になると予想されている。そこへ中小企業を中心にコロナ倒産が千件もあるという最悪の状態になってきた。比較的好調なのは株価ぐらいで、今日も日経平均株価は前日比で284円も上がっている。

 急がれるワクチンの接種であるが、遅ればせながら日本では今月初めに医療従事者に行い、次いで4月から高齢者約3千万人に接種を開始する予定のようである。

 ワクチンについても世界各地でいろいろ話題がある。国民の3割がすでに接種を終えたイスラエルでは、接種に時間がかからないようだ。少々急ぎ過ぎの感がある。問診はほとんどなくすぐに接種するという。一方でイギリスのアストラゼネカ社のワクチンに高齢者の治験実績が少ないとして、フランス、スウェーデン、ドイツなどでは65歳以上の高齢者の接種は当分避ける方針だという。世界でもアメリカに次いで、1千万人を超える感染者を出して2番目に多いインドでは、感染者拡大にも拘わらず無料のワクチンを周辺国や南アフリカへ配布して随分感謝されている状態である。

 こんな暗い世界の中で、あまり政治的な動きが伝えられない最近のロシアでは、反政権活動家ナバリヌイ氏の身柄拘束を巡って釈放を求めるデモが広がっている。氏もこれまで詐欺事件に巻き込まれて有罪判決を受けたが、その判決について物議を醸している。プーチン政権としては、正面から反プーチンを唱えるナバリヌイ氏がよほど目の上のたん瘤なのであろう。だが、プーチン大統領は昨今ほとんど公衆の前に姿を見せず、湖畔にある収賄で手に入れたと悪い噂の豪華宮殿に引きこもってシグナルを送っているようだ。2000年に大統領の地位に就き、絶対権力を手中に収めて、憲法に則り一時的に4年間だけ大統領の地位をメドベージェフ首相に譲ったが、再び大統領に復帰するや、憲法を改正し現状では2036年まで大統領の地位に居座り続けることが可能となった。憲法を自らの欲望でどうにも出来るのが、民主主義国家とはとても呼べない。

 ところでプーチン政権のそのやり方は、昨日クーデターで現政権を倒したミヤンマーのミンアウンフライン軍事政権の志すところと同じである。ミヤンマーの現憲法では国会議員の議席の1/4は軍人に割り当てられているが。憲法改正には議員の75%以上の賛成が必要である。すると憲法改正には軍関係議員が、少なくとも1人以上の賛同が求められる。ほとんど不可能である。これでは憲法改正は絶望的で、このまま議会に軍人が居座り続け、民主派は過半数を得ても思い通りに政治を行うことが出来ない。ここまで非民主的であるとは知らなかった。ミヤンマーの人たちは親切で優しく、素晴らしい国民性であるが、政治だけはまったく前時代的で国民に目が向いていない。昔ビルマでは旅行で随分お世話になったが、当時親しくなった人たちは今どうしているだろうか。気になるところである。

2021年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com