5006.2021年1月25日(月) プーチン大統領も今や落ちた偶像か?

 アメリカでは感情むき出しのトランプ前大統領が退いて、比較的温厚、堅実そうなバイデン氏が大統領になって一先ず国内の対立感情が収まりつつあるように思える。これで国内がまとまって大国としてのパワーを世界から期待され受け入れられるようになって欲しいものである。トランプ時代に悪化した中国との関係が、少しでも好転することを待ちたいと思う。尤も中国にも大きな問題がある。国内外に非民主的な動きが表れており、それはむしろ強くなりつつある。主に人権抑圧問題であり、香港の民主化弾圧と新疆ウィグル自治区のイスラム系ウィグル族への人権蹂躙問題である。中々一筋縄で矛が収まるような気配はない。非民主的な中国のやり方は、習近平・現体制がそのまま力を持ち続ける以上、外国から厳しい非難を浴びても我が道を往くことだろう。

 今や権力を一手に集中したロシアのプーチン大統領が、意外にもロシア国内で激しい反プーチン運動に、これまでにない危機感を感じているようだ。周囲を身内だけで堅め、盤石の体制を築いていたが、このところ国内に反対運動が持ち上がって、全国的に拡大しつつある。

 その最たる動きが、反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏がドイツで治療していたが、退院し帰国直後に身柄を拘束されたことに対して氏の身柄解放を求める市民の動きである。月刊誌「選択」1月号には「朽ちる『ロシアで巣ごもり』に日々『プーチン墜ちた独裁者の窮状』」と手厳しいコンテンツが盛られている。今ではほとんどクレムリンから離れ、テレビ会議と言いながら、実はソチにある豪華宮殿でテレワークによる政権運営を続けていると聞くから驚く。また、複数の女性関係もあぶり出され、元五輪メダリストに双子を出産させたことまで公にされた。プーチン政権は内外情勢に付いて行けなくなったとの報道まで出る始末である。

 こんな大変な時期に、ナバリヌイ氏を拘束したためにロシア国民から激しいブーイングが起きた。ロシア全土111か所で自発的なデモが行われ、多数の参加者が身柄を拘束された。アメリカ国務省は強く非難し、ナバリヌイ氏と拘束されたデモ参加者を全員釈放するよう求めた他にも、ヨーロッパ連合(EU)も非難声明を出した。

 ロシアではブラジルに次いで世界でも4番目に新型コロナウィルスによる感染者が多いが、死者の数が実数より少ないのではないかとの不審の声も聞かれて、コロナ対策でも大わらわの状態である。かつては米ソ2大国の対立などと言われた時代もあったが、今や落ち目の三度笠である。

 かつての共産主義国家ソ連も中国も、指導者に人を得なかったために、両国ともに大きく道を誤ってしまった。ロシアと同じように中国の発表するコロナ感染の数もあまり信用出来ない。感染者の数が日本の1/4、死者が日本より少ないというのは本当の話だろうか。

 さて、奇しくも今日1月15日は、「アラブの春」がエジプトで始まり独裁者ムバラク大統領を退位させてちょうど10年目に当たる。チュニジアから始まった革命の火は、エジプトからアラブ諸国へ飛び火していった。パレード観閲中に時のサダト大統領が暗殺された衝撃的な日からムバラク大統領は、実に30年間独裁的な権力を発揮していたが、ついに権力の権化もその座を追われることになった。そのパレードを偶々訪米中にテレビを観ていて、あまりの迫力ある凄まじい画像に仰天したものである。何かと世界的な事件に出逢う奇遇に、これも運命かなと感慨深く感じている。

 また、明治35(1902)年の今日は、北海道旭川市で零下41.0℃という日本の気象史上最低気温を記録した寒い1日でもあった。

2021年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com