4970.2020年12月20日(日) 高校駅伝選手に鉄剤注射とは?

 中学2,3年時に京都市内に住んでいたので、毎年この時期になると都大路を走る全国高校駅伝を郷愁の想いでテレビ観戦している。他の高校スポーツではあり得ないと思うが、71回の歴史で広島県世羅高校が10度目の最多優勝を成し遂げたのだ。女子も同校が制覇して史上2度目の男女優勝を飾った。しかし、あまりすっきりしないのは、男女ともに男女チームともに外国人選手が出場し活躍したことである。昨今の高校強豪校、特に私立校には、必ず外国人選手がメンバーとして入っていることである。プロではないので、外国から有力選手を留学生として呼ぶのではなく、もう少し自校内で選手を育成する方法を取った方が日本人選手を育てる意味でも、また教育的見地からも望ましいと思える。47チームのうち5選手が黒人選手だった区間もあった。

 さて、その高校駅伝に思わぬ難題があることを知った。選手たちが持久力向上のためと称して鉄剤注射を打つという。今大会では、新型コロナウィルスによる医療機関の負担軽減のため取りやめたそうだが、若い高校生の身体に影響を与える行為を日本陸連はなぜ容認しているのか理解に苦しむ。この注射を繰り返すと過剰な鉄分が内蔵に沈着して、肝機能障害などを引き起こす危険があり、しかも何年も前から問題視されていたという。

 好記録ばかり求めて選手の健康面に配慮しないスポーツなんて本来の主旨から外れていると思う。今日偶々朝日朝刊に「指導者や関係者は引き続き、鉄剤注射の問題と真剣に向き合ってほしい」と問題点を探求することを求めていたが、一般のメディアももっと高校生の健康を真剣に考えて問題点を追及し積極的に是々非々を議論してほしいと思う。

 好記録を目指す邪道として、近年ロシアのウエイト・リフティング選手の間でドーピング問題が注目されている。リオ・オリンピックでは違法なドーピングのため、ロシアは国としての出場から締め出された。国ぐるみで違法な薬物をこっそり選手に提供していたロシア当局は、国家の恥をあまり意識していないようだが、17日スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、ロシアの組織的ドーピング問題についてロシア側の異議申し立てを棄却し、2022年12月までロシアは主たる国際大会に出場出来ないと裁定を下した。21年東京オリンピックと22年の北京冬季大会にロシアは出場出来ないことに決まった。

 高校駅伝の鉄剤注射も、これを放置したままだといずれ似たような問題に発展する可能性もある。周囲の関係者は、責任感を持って対策に当たって欲しいものである。

 なお、マラソン関連のニュースとして、1946年以来国内最古のびわ湖毎日マラソンが、来年の第76回大会開催を最後とすることに決まった。残念だが、福岡国際マラソン、東京マラソンと並ぶ男子3大マラソンのひとつが幕を閉じることになった。地域的な問題もありスポンサー集めに苦労して経済的な面から中止となるようだが、昨今経営的に苦しい毎日新聞社が後援していることも影響しているのかも知れない。代わりに市民マラソンと言われ年々参加者が増えている大阪マラソンが、後を継ぐようだ。

2020年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com