4966.2020年12月16日(水) これからのコロナ対策

 今日も新型コロナウィルスが全国各地で猛威を振るっている。東京では、今日感染者が678人となり過去最多となった。中川俊男・日本医師会会長は記者会見を開き、国民の自粛への協力を評価しながらも油断ない日常生活に警告を促した。

 このため「GO TOトラベル」を一斉に停止したことが遅すぎたとか、もう少し先延ばしすべきだとか、その是非を巡りあれこれ異見がある。観光業は「GO TOトラベル」のお蔭で一息ついていただけに、業界内からは失望の声が聞かれる。年末を間近に控えて忘年会シーズンを迎えて、殊更飲食業界にとっては諦めきれないものがあるようだ。

 コロナで経済活動にプレーキがかかりつつある昨今であるが、昨日政府は今年度追加補正予算を盛り込んだ21兆8千億円の第3次補正予算を閣議決定した。この財源はすべて国債の発行によるものである。元々今年度は当初見込んでいた税収63兆5千億円が、コロナのせいで約55兆円まで縮小し、不足分を国債の発行に頼らざるを得なくなった。結果として国債の今年度発行額は112兆円となる。新規国債の発行額は、2009年のリーマン・ショックの影響を受けた年の52兆円弱であり、以降毎年50兆円前後で推移してきた。今後この国の借金を早い機会に返していかなければならない。

 いつものことながら政治家は自分の金ではない借金は安易に行うが、これを返済するとなるとまったく腰が重い。こうしてこれまで国の借金は積もり積もって1,100兆円を超えるまでに膨らんだ。よほど財政に通じた実力者が介在しないと、この大幅な借金も口では財政バランスを言いながら馬の念仏のままではないか。112兆円もの大金を借金する度胸があるなら、返済計画もきちんと立ててもらわないと後世にツケを回すだけではないか。

 その中で先日恒例の大企業や製造業の業況判断指数である今月の日銀短観が発表された。それによると計数的には2四半期連続で改善されたとなっているが、2期前には対前年で大幅に景気が落ち込んでおり、その後の指数であり、前四半期に比べればよいが、昨年同期と比較すればマイナスであり、依然としてコロナの不安は根強い。長いトレンドで見ると、2013年から経済界は好調を維持してきたが、今年に入ってからずっと下り坂で、漸く対前期指数でここ2四半期は向上したと言える。その点では、景況感は改善したとも言える。しかし、これはあくまで大企業についてであり、中小企業にとってはこのコロナ禍で大きな打撃を受け、明るい兆しは見えないようだ。今最も根を上げているのは飲食業界など中小・零細企業である。

 経済活動も損なわず、政府は感染拡大防止に効果的な支援・救済策を考えてくれるだろうか。「ガースー」菅首相の手腕が問われるところである。

2020年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com