4960.2020年12月10日(木) 首を傾げる乗客のマナーとF35 戦闘機購入費用

 今日半年ぶりに歯の定期健診のため代々木にある行きつけの歯科へ出かけた。現役のころから通ってもう40年以上になろうか。電車に乗ったのはちょうど1か月ぶりである。元鉄道員としては、これほど長い不乗車になろうとは鉄道と縁が切れたような錯覚に陥る。これも新型コロナウィルスのせいである。気になったのは、そんなことではない。その途上それほど混み合っていない山手線車内で、乗車するや空いた席へ直行する若い男性の乗客、お年寄りが傍にいるのにもぐりこむように座ってしまう若者、シルバーシートでは若い女性が足を組み、スマホに夢中になっていた。どうもモラルに欠けているようでうんざりである。日本人のマナーの良さがしばしば語られるが、それはごく一部で身の回りには、あまり他人のことに構わない風潮がいっぱいである。今日は久しぶりに電車に乗って、乗客のマナーにちょっとがっかりした。

 さて、75歳以上の高齢者の医療費の窓口負担の見直しをめぐり、政府・与党内で自民党と公明党の間で意見が対立していたが、漸くお互いに大筋合意した。これまで負担を増やすことについては、両党とも納得していたが、見直しに際して年金収入の多少により対象者を絞る点で、自民党は170万円以上所得を有する520万人を、一方公明党は約200万人が対象となる240万円以上の所得を有する高齢者を基準とするよう求めていた。それほど高額所得者がいない公明党支持者のことを党としては考えたのだろう。

 両党提案の中間を取って200万円以上の所得者をこれまでの医療費負担1割から2割へ増額することに決まったようだ。2022年10月から施行される。自民党の菅総裁と公明党の山口代表の話し合いで決着というが、いくら党内から委任されたとは言え、2人だけでこんな大事な問題を決めるということ自体釈然としない。しかも、両党希望の中間額に落ち着くというのもなれ合いのようで理解に苦しむ。対象となる約370万人の負担増に対して、公の場でまったく議論されないことが間違っている。

 そもそも社会保障とは、国、或いは公の機関が生活に苦しむ人々を少しでも支援してあげようという主旨の下に始まったもので、国費が支出されるのは当然でもあり、最初から分かっていたことである。ただ、想定通り行かなかったのは、社会があまりにも速いスピードの少子高齢化により支援を受ける人々が増え過ぎる一方で、それ以上に負担で苦しむ若い人々が増えたことである。今後もこの傾向が続く。だが、だからと言ってこれまで支援を受けていた人たちの負担を増やすのは、筋が違うと思う。他に補填出来る資金源はないのだろうか。あると思う。

 例えば、この決着が実現された場合、将来の現役世代が軽減される負担額は年間約880億円と言われる。防衛省が昨年購入を決めたF35 戦闘機は1機116億円であり、これに掛かる維持費は何と307億円である。結局F35 戦闘機1機を保持するために、実に約423億円が掛かることになる。F35の購入を2機控えれば負担額は賄える。今日決着を見た200万円以上の収入を得ている高齢者の医療費負担を増額するのは、社会保障の主旨から言っても些かおかしい。F35 戦闘機もそれなりの計画に則って購入したのだろうから、これと決めつけることは出来ないが、それにしても他に無駄な経費があるのではないかと思う。無駄と言えば、桜を見る会の経費なんかもまったく無駄な支出ではないだろうか。

 今日もまた新型コロナウィルスは猛威を振るい、感染者は全国で過去最多の2,973人となった。東京の600人を超える602人も過去最多を記録し、埼玉、千葉の首都圏も過去最多となった。いつになったらこの勢いは収まるのだろうか。

2020年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com