4956、2020年12月6日(日) 「いま判った!」出版の難しさ

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の出版が迫っているが、中々思い通りに行かないものだ。その最たるものは、新聞記事、昔の流行り歌の歌詞コピーの許諾である。これで大分時間を費やしてしまった。発行は当初10月末日を予定していたが、それが11月末日となり、今月半ばを予定している有様である。ここで今まで知らなかったことを知った。書籍の裏表紙に定価や出版社名とともに書かれている発行日が、1か月、また2か月先になるのは出版業界では当たり前なのだそうだ。地図も難しい。写真は幸い私自身が現地で撮ったものを使うのだが、スエズ運河なんかは面白い体験をしたので、ストーリーとしては興味深いのだが、生憎スエズ市が戒厳令下にあったため写真は1枚も撮れなかった。あと出版社と原稿校正、及び組版チェックのやり取りで、今の計画通り中旬には世に出したいと思っている。それにしても自著としては、5冊目だが、1冊の本を世に出すことの難しさを改めて知った。幸い拙著には、冒険作家の椎名誠氏が面白いと言って下さり、表紙帯に推薦文を書いていただいた。販促効果が上がることを期待したいと取らぬ狸の皮算用をしている。

 その拙著の中でロヒンギャ民族について1項目を設けて、そもそも難民が生まれた原因と現状、そして旧インド領バングラデッシュとミヤンマーを植民地化していたイギリスの宗主国としての責任を追及した。実際イギリスの「分割統治」という不条理な植民地政策により、現在ロヒンギャが住んでいる南東部のコックスバザールから3年前にミヤンマー政府によって追放されるまで住んでいたミヤンマー・ラカイン州へ強制移住させたことが、問題の発端である。それをイギリス政府が知らぬ顔をし、国連も敢えてイギリスの責任を追及するでもなく、ミヤンマー政府の責任を追及するばかりである。そこへメディアがイギリスに同調するような立場で報道している。それらの点が気持ちとしては許しがたく私なりに厳しくイギリスの植民地政策を暴き、その罪と責任を追及したつもりである。少しでも多くの読者に実態を理解してもらえるなら嬉しいことである。

 今日の朝日朝刊に依れば、バングラデッシュ政府は、コックスバザール難民キャンプにいたロヒンギャ族をバシャンジャールという小さな島へ強制移住させた。その島は過去に豪雨や高波に見舞われたこともあり、今後水没する危険性もあるようだ。バングラデッシュ政府にしてみれば、ロヒンギャ族を厄介者とみて島流しにしたと思われる可能性がある。先祖がミヤンマーへ強制移住させられ、3年前にそのミヤンマーを追われ、今また自国政府の心ない施策により無人島へ追いやられるとはロヒンギャ族はあまりにも気の毒である。派手に難民の救済などが訴えられているが、それとは異なり大勢のロヒンギャ難民が見捨てられているのだ。

2020年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com