4955.2020年12月5日(土) 75歳以上高齢者の医療費負担増額?

 このところ医療のお世話になる機会が多いせいもあり、昨今75歳以上の医療費値上げ問題がちょっと気になっている。われわれ75歳以上の高齢者の医療費負担は現在1割だが、それを一気に2割、割合で言えば倍増である。確かに若い人が少なくなり、彼らの将来的負担を考えると、そろそろ何らかの手を打たないと健康保険制度自体が揺らぐことになる。

 私自身は1割負担の恩恵を受けているので、心苦しいところであるが、ある程度負担が増えるのはやむを得ないと思っている。ただ、アメリカでは健康保険制度が充分でなく、しばしば問題になっている中で、日本の医療制度は海外でも高い評価を受け、模範的な制度でもあるので制度の根幹を壊すようなことは避けて欲しいと思う。現在は健康保険制度自体が赤字に陥っているようだが、これまで手を付けられないできた。ここへ来て新型コロナウィルス感染拡大により、医療費が相当増えることがはっきりしてこのまま見過ごすわけには行かなくなったことは理解できる。 

 ただ、政治家はすぐ忘れがちであるが、2年前に消費税を8%から2%値上げして、10%に決めた時の理由づけは、医療費負担を含む社会保障費が持ち堪えられないので、値上げ分は社会保障費に充当すると明確に述べていた。当然医療費の不足分は相当分消費税によって賄われるような筋書きになっていた。それが、昨年辺りから早くも高齢者医療費が話題に上がるようになった。どうして実施された消費税値上げ分が、約束通り医療費へ回されないのか。

 その説明がまったくなされていない。そして有無を言わせず、1割負担では軽そうだからと強引に75歳以上の高齢者に2割負担を押し付けるのは、少々理不尽ではないだろうか。

 国会議員は、この議論を尽くす前に第203回臨時国会は今日閉会となった。野党はコロナ対策もあり、会期延長を求めたが、政府にはその気はないらしい。政府・自民党は8日の閣議で高齢者医療費の負担増額を決定したい腹のようだ。ただ、与党内でも自民党と公明党との間で若干意見の食い違いがあるらしい。公明党としては出来るだけ高齢者に負担をかけないよう単身の年金収入が240万円以上としているのに対して、自民党は多くの高齢者に負担してもらいたいと単身年金収入170万円以上を譲らない。

 こうして気楽な国会議員は内外ともに多事の中を、冬休みに入ることになる。日本の国会議員は世界で最も報酬の高い給与をいただいて、それほど働かなくとも所得を得ることが出来る。恵まれない人たちが多い中で、恵まれた幸せな人たちである。彼らにとっては医療費なんて普段の生活上はあまり真剣に考えたことがないのだろう。

2020年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com