4928.2020年11月8日(日) バイデン氏、アメリカ大統領選勝利宣言

 混迷していたアメリカ大統領選も勝敗が決着したようだ。バイデン氏が来年1月アメリカ大統領就任時には、78歳となり史上最高齢の大統領になる。今朝のニュースでは、バイデン氏が過半数の270人を遥かに凌駕する290人の選挙人を獲得し、バイデン氏はデラウェア州で「国民は声をあげた。確かな勝利だ。分断ではない、結束を目指す大統領になると約束する」「アメリカを再び尊敬される国に戻す」と勝利宣言を行った。菅首相はじめ主要国の首脳もそれぞれお祝いのメッセージを送ったという。この敗勢にも拘わらず、トランプ大統領は選挙に不正が行われたとして法廷に訴えると強気に語っている。しかし、現実を知る限りいくらもがいてもバイデン氏勝利の結果は覆りそうもない。トランプ氏は潔く選挙民の意思を受け入れるべきであろう。これでいかに時間がかかろうとも次第に「バイデン氏勝利」が広く受け入れられるようになり、アメリカ社会も落ち着いてくるだろう。

 来年バイデン氏が大統領に就任してアメリカは変わるだろう。しかし、今問題の米中対立もどこまで融和するだろうか。中国が香港や台湾、また南シナ海で公海進出の動きをどう収めるかによって、その対応は変わってくるだろう。日本もオバマ政権時の副大統領が大統領に就任するので、パイプはつながっているだろうが、日本に対して厳しい対応をすると見られている元国連大使ライス氏?の立場によっては、同盟関係の進捗も厳しいと思われる。

 さて、国政選挙と言えば、今日ミヤンマーで5年ぶりに総選挙が行われた。アメリカ大統領選の騒ぎに掻き消されて、開票結果は伝えられないが、5年前にはアウンサンスーチー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)が、改選議席の8割を獲得して軍の政治支配に終止符を打つことが出来た。それは偏にスーチー女史のカリスマ的な人気と誠実さ、実行力に大きな期待がかけられたからだった。だが、その後国会議員の25%を占める軍部議席の憲法条文を改正することや、少数民族武装勢力との和平の公約が、いずれも成果を上げていない。スーチー女史ファンが多い今のミヤンマーであるが、国民の間には不満の声が聞かれる。

 今回の総選挙で与党のNLDがどの程度の議席を確保することが出来るかによって、今後のミヤンマーの将来が左右されるだろう。

 いかにノーベル平和賞を受賞されたスーチー女史でも、軍部と少数民族の対応には手を焼いているようだ。国際的にバッシングされているロヒンギャ難民問題にしても、イギリスの植民地政策によるロヒンギャ強制移住によって一方的に押し付けられたツケだ。このイギリスが残した負の置き土産のために一部にはノーベル平和賞返上の声も聞かれたほどである。

 そこへ昨年ノーベル平和賞を受賞したエチオピアのアビー首相が、一昨日国内の対立勢力のテイグレ民族解放戦線拠点を空爆した。平和賞の対象となったのは、隣国エリトリアとの国境紛争を終わらせたことや、政治犯の釈放などが評価されたものであるが、アビー首相がいかに政府軍の正当性を叫ぼうとも、ノーベル平和賞受賞者の発言としては素直には受け取れない。アビー首相にもノーベル平和賞返納の声が発生するかも知れない。

 ノーベル平和賞を現役の政治家に授賞することは、一歩読み違えると賞の評価まで下げてしまう。難しいものだ。

 それはともかくミヤンマー総選挙が、どういう結果をもたらすだろうか。人一倍ミヤンマーに思い入れの深い私としては、他人事とは思えない。NLDが5年前と同等以上の議席を確保することを願うばかりである。

2020年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com