4921.2020年11月1日(日) 「大阪都構想」反対が多数、大阪市存続

 国内外で注目されている事象は、アメリカの大統領選と新型コロナウィルス感染拡大であり、他に国内では日本学術会議の会員任命拒否問題と今日行われた大阪都構想の住民投票がある。

 アメリカ大統領選は、このところ注目される票田としてペンシルベニア州におけるトランプ大統領とバイデン前副大統領候補が益々ヒートアップして、残念ながらアメリカ民主主義の質まで問われるような低次元の争いになっている。今朝もテレビを観ていて評論家諸氏がアメリカという国の化けの皮が剥がれたような落胆したコメントを語っていたが、実際その通りで劣化した大統領選と国内社会の分断は惨めである。偶々昨日友人からハガキをもらったが、アメリカ国民の教養の低さに呆れ、二流国だと断じていた。同時に、プーチンのロシアと習近平の中国を批判して「共産主義は民主主義ではない」との持論が証明されたと書かれていた。相手を罵るディベートと銃所持の規制も出来ないアメリカ人の「自由放任」の不始末と、ロシア、中国は共産主義でも社会主義でもなく、帝国主義だと書いて返事を送ったところである。

 最近のコロナは、相変わらず勢いは衰えず、先進国ほど感染者が増え、途上国は若干そのスピードが落ちている。1日当たりの感染者が3万5千人を超えるようになったフランスを筆頭に、1日当たりイギリスは2万1千人、イタリア1万5千人、スペイン1万5千人、ドイツは9千8百人を超えるようになった。一方、アメリカに次いで感染者数が多かったインドとブラジルはともに減速傾向にある。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は「北半球で我々は流行の重大局面にある」として警鐘を鳴らしている。コロナはちょっと油断すると一気に拡大する。フランスで夜間外出禁止を宣言したマクロン大統領に国民が不満を露わにしているが、大統領もフランス国民の気の緩みを気にしたからではないか。まだまだコロナ旋風は収まる気配を見せていない。

 学術会議の任命拒否については、国会の首相所信演説に関して志位和夫・日本共産党委員長が厳しく追及していたが、首相は正面から応えるようなことはなく、首相が語った矛盾点は残ったままである。いつになったら問題に終止符を打つことが出来るのだろうか。

 そして大阪都構想問題である。これは大阪府・市の問題であるが、政令指定都市にして130年以上の歴史を誇る大阪市が消滅するかどうか、という点では他の政令指定都市にとっても対岸の火災視するわけには行かない。何事も強引に押し通そうとする大阪維新の会代表の松井一郎市長は、5年ぶりに巡って来たチャンスをこの際何とか実現させるべく、市長権限を活かして圧力をかけているようだ。大阪都構想が実現すれば、特別区の設置により府と市の二重行政が解消されるとの説明の一方で、大阪市がこれにより218億円の経費がかかると算出したことに対して財政局長を恫喝して都合の悪いデータを封じ込めようとしたと伝えられている。結果はどうなるだろうか。外部から見た限りでははっきりとは分からないが、諸々の費用がかかり、行政の停滞も予想されるので、現状の方が良いのではないかと思考する。

 しかし、夜遅くなって結果が出た。都構想反対票が僅かに上回ったのである。これで政令都市・大阪市は存続することになった。選挙の開票経過を注視していたところ、僅かながら終始賛成票が上回っていた。それが、夜10時43分開票86%の時点で、賛成59万2千票、反対58万9千票と表示された時、突然「反対多数確実」のテロップが出た。その後も賛成票が上回り、開票93%の時点でまだ賛成が反対をリードしていたが、11時5分に開票94%になった時、賛成64万1千に対して反対が64万3千と初めて反対票が上回った。いつ確実になったのか外からはまったく分からなかったが、意外などんでん返しだった。

 この結果を受け、記者会見した松井一郎・大阪維新の会代表は、政治家としての責任を取り令和5年4月の任期満了を以て市長を辞め、政界を引退することを表明した。これで国内におけるひとつの話題も消え去ることだろう。

2020年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com