4920.2020年10月31日(土) 21年前を思い出したギリシャ・トルコ地震

 昨日ギリシャとトルコ沖のエーゲ海でマグニチュード7という大きな地震が起きた。私も偶々21年前にトルコのチャナッカレで大地震に遭ったことがある。間もなく上梓する拙著に1999年8月トルコ滞在中にマグニチュード7.6のイズミット大地震に遭遇したと書いた。真夜中熟睡していた時に、ホテルの室内が突然ガタガタと大きく揺れ、慌てて荷物を持ってロビーへ駆け下りたことがある。20世紀最大の大地震と呼ばれ、4万5千人もの死者、行方不明者を出した大地震から私自身思いがけず多くのことを学んだ。あの時、トルコ人の物の見方を教えられたような気がした。現代建築より古代、中世の建造物の方が耐震構造はしっかりしていることや、トルコの名産品たる絨毯の取り扱い方を実地で見て教えられ、伝統工芸品の神髄というものを学んだような気がした。日本人の考えでは伝統品のような高級な絨毯は後生大事に取扱い、極力汚さないよう使っているが、現地トルコの人たちは、実用を優先し、例えそれば泥水で汚れようとも丁寧に洗えば汚れは落ちると承知して実用的に使用している。日本人の考え方とはまるで異質だと思った。

 さて、今日はケルト人のお祭り、ハロウィーンである。ケルト人にとって1年の終わりが今日で、今晩は秋の終わりを意味し、冬の始まりでもある。昨年まで渋谷の交差点などでは羽目を外した若者が群がって騒ぎ度々トラブルを起こしていたが、今年はコロナ禍で渋谷区が自粛を促したせいもあり、テレビで夜の街かどを観ると昨年のように人が群れるということはないようだった。それでも普段よりはやはり人出は多いようだ。どうして渋谷スクランブル交差点だけこんなバカ騒ぎを起こすようなことになってしまったのだろうか。アメリカでは子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする習慣なんだがなぁと考えてしまう。

 私がこのハロウィーンというお祭りについて知ったのは、1976年秋文部省教育視察団で全国の先生方にお供してアメリカの小中学校を見学に訪れた時、初めて訪問校で知った。学校内には仮装衣服が置いてあり、学校から帰ってから子どもたちがそれを身に着けて各家々を訪れては、お菓子をもらっていた。日本の先生方もこんな行事は初めて知ったと驚いていた。あれから半世紀近くの間に日本国中にあっという間に広まった。はっきり言ってキリスト教とも絆はなく、大人たちの街の行事やお祭りとも無関係である。それが日本国内にはいつ頃輸入されたのか、最近では毎年のように好い若者が主旨を間違えて酒気を帯び派手に騒ぎまわって周囲の人たちに迷惑をかけている。

 日本テレビ夕方の天気予報で、担当者が今日は満月に近いが、ハロウィーンと満月が重なるのは46年ぶりと言っていたが、それでは私が日本の教育視察団とともにアメリカでハロウィーンを初めて知った年の2年前である。ハロウィーンなんてほとんどの日本人が知らなった年より以前に満月との関係をメモった記録なんてあったのだろうか。どうも腑に落ちない。

2020年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com