4917.2020年10月28日(水) 首相所信表明演説で推薦会員拒否の説明なし

 先日来日本学術会議の推薦会員候補者を菅首相が任命しなかった件が、ずっともめている。今日も首相は国会の代表質問で任命拒否の違法性を否定し、出身地や大学に偏りがあると述べていたが、一昨日NHK「ニュースウォッチ9」に出席した首相はキャスターの質問に同じように応えていた。その時、会員が偏っていると述べて、出身地や大学、年齢などを挙げていたが、こういう学問の組織ではある程度偏るのはやむを得ないのではないか。

  例えば、科学分野では研究のうえに実績を上げるとするなら、当然年数がかかる。すると研究に関わっている人は年齢を重ねることになり、相対的に高齢者が多くなるのはむしろ当然のように思う。これから地方を活性化させるとのお声は佳しとして、研究機関や工場、大学がともすれば都会、大都市に集中している現状では、大都市で活動する会員が増えるのも致し方ないと思う。更に大学による格差があると言う点では、どうしても大都市の国立大学の方が設備、財政的バックアップなどが地方の大学より優れているので、やむを得ない点がある。ただ、これらはある程度是正していくことは可能だと思う。それにしてもそんなことは当然のことであり、首相が国会の場や、全国ネットのテレビで語るまでもないことである。川勝静岡県知事は、「菅義偉という人物の教養レベルが露見した。学問立国に泥を塗るようなこと」などと痛烈に批判している。

 それより問題は、政治が科学分野の人選にまでちょっかいを出すことである。国費をもらっていることもあり、きちんと国へ報告すべきは報告し、その代わりに余計な口出しはさせない毅然とした対応が必要であると思う。屁理屈をこねて学術会議の組織、運営、人選などに干渉すべきではない。この問題は、政府がきちんと任命拒否の理由を語らなければ、いつまで経っても解決しないと思う。

 さて、昨日プロ野球パ・リーグの優勝チームが決まった。ソフトバンク・ホークスが3年ぶりのリーグ・チャンピォンに輝いた。いつもながら少々首を傾げたくなるのは、2018年と19年にホークスはパ・リーグの優勝を逸していながら、昨年まで日本シリーズ3連覇という素晴らしい実績を上げていることである。パ・リーグ覇者と日本シリース・チャンピォンの間に整合性がなく、不思議なからくりがあるからだ。

 ホークスは、2018年と19年はリーグ2位だった。その後上位3チームが日本シリーズ出場権を賭けて戦うクライマックス・シリーズという、リーグ優勝の価値を貶めるようなトーナメントを行っている。ホークスは、そこで偶々優勝チームを破り日本シリーズへ出場してセ・リーグの覇者と戦って勝った。つまり敗者復活戦で勝ち上がったチームと言える。今年は新型コロナウィルスの影響のせいもあるが、パでは例年なら上位3チームで争われる筈だが今年は2位ロッテとの日本シリーズ進出決定戦となる一方で、セでは開催しない中途半端なクライマックス・シリーズなんてプロ野球界の魅力を失わせるばかりだ。リーグの本当の覇者はどこか疑問を与えるようなポスト・シーズン試合は、好い加減に中止したらどうか。

 現状だと今年優勝を早めに決めたソフトバンク・ホークスだが、日本シリーズに進出出来ない可能性もある。奇妙なシステムである。

 

2020年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com