4891.2020年10月2日(金) トランプ大統領夫妻揃ってコロナ感染

 昨日の本ブログにアメリカ大統領選のテレビ討論会に対する日米メディアの厳しい反応を取り上げ、殊更トランプ大統領が対立候補の話に割り込んで自己主張する、ルールを守らない非常識さに呆れたと感想を書いた。そこへ今日そのトランプ大統領がメラニア夫人ともども新型コロナウィルス陽性が判明したとのニュースが入ってきた。元々トランプ大統領がコロナを軽視したせいで、今日アメリカが世界で最も感染者と死者が多い最悪の結果をもたらしたと言われている。大統領の集会に集まる支援者もほとんどマスクも着けていない。そのしっぺ返しのような形で当の大統領がコロナに感染してしまった。笑い話にもならない。これから益々激しくなるであろう選挙活動にも差支えが出て、あと1か月後に迫った投票に大きな影響が表れるのではないだろうか。

 さて、昨日菅首相は首相就任後最初のチョンボをやってしまった。日本学術会議が推薦した105名の新会員候補者のうち、政府は6名の学者を任命しなかった。推薦候補の任命拒否は、現制度になった2004年以来初めてのことである。日本学術会議は日本の科学・文化分野で最も権威のある学者提言機関で、日本学術会議法が制定されて会員は国家公務員の資格を有する。同法案には「会員は同会議の推薦に基づき、総理大臣が任命する」とあり、首相に任命権はあるものの選任出来る権利はなく、1983年11月の参議院文教委員会で政府は「学会から推薦されたものは拒否しない、形だけの任命をしていく、政府が干渉したり中傷したり、そういうものではない」と答弁している。それなら今回の任命拒否はどういうことになるのだろうか? この事態を野党も厳しく批判している。

 任命を拒否された6人は、国会内外でこれまで政府の安保関連法、沖縄・辺野古基地建設、改憲や特定秘密保護法、共謀罪の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法などに強く反対を訴えた学者たちである。ここに拒否の理由がある。政府の方針に反対する学者は会員として認めないというなら、前記の政府の見解とどう帳尻を合わせるのだろうか。一昨日学術会議会長を退任した山極寿一・京都大学総長も学問の自由への介入だと言われても仕方がないと厳しく批判している。

 懸念されることは、国家、或いは政治家が気に入らなければ、学者の提言機関にまでも強引に介入してくることである。加藤官房長官の説明も「学問の自由の侵害には当たらない」との認識を示して突きっぱなしたが、とても納得できるものではない。任命しない理由を国民にもはっきり説明すべきである。

 このまま菅政権も安倍前首相の非民主化路線を継承して、極右への道を突き進んでいくのだろうか。菅首相の本性が如実に現れたというか、化けの皮が剥がれたと言うべきだろうか。

2020年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com