4881.2020年9月22日(火) 国連発足75周年、世界は平和なりや?

 昨日の「敬老の日」に続いて、今日は「秋分の日」で連休最後の日である。「暑さ寒さは彼岸まで」と言われるように涼しい1日だった。新型コロナウィルス禍の中では、どこへ出かけても落ち着いた気分になれないのではないだろうか。今年は春、秋ともにお墓参りを失礼してしまった。

 さて、安倍前首相が退いて菅首相が前首相の考えと政策を引き継ぐと言っていたが、新内閣でデジタル行政と、行政改革について力を注いでいるように見受ける。やはり前任者の施策を引き継ぐだけでは、首相が替わった意味を成さないと思う。デジタル、行政改革ともに一応の評価を得ているようだから、今後は実績として誇れるよう両担当大臣は積極的に活動して欲しいものである。

 さて、今年は国連創設75周年に当たる。近年国連安保理が国連の理念と目的と会わなくなってきているとの批判的な声が聞かれる。昨日国連総会が開かれたが、今年は新型コロナウィルスの影響もあり、総会場への入場は各国1名しか許されず、各国のスピーチもリモートで行われた。益々米中対立は深まっている。今行き詰まっているのは、核拡散禁止条約の批准である。現在必要な50カ国に対して、45カ国しか批准署名をしていない。核保有国が批准しないからである。日本も批准していない。日本はアメリカの核の傘の下で保有国間の橋渡しをすると都合の好い事を言って、世界で唯一の被爆国である立場をすっかり忘れている。

 アメリカではあと1か月半後に迫って来た大統領選挙で、現職トランプ大統領が必死に敗勢を挽回しようと努めている。同盟国をはじめ、諸外国との外交が行き詰まり、形勢は良くないようだ。中でもドイツとの関係はこれまで順調だったが、ここへきてメルケル首相との関係がこじれて穏やかではない。2人の首脳はどうも噛み合わないようだ。思い立ったら相手を考えずに、すぐに自分の言い分だけを発言してしまうトランプ大統領が、ドイツの駐留米軍削減計画を唐突に公表した。

 現在ドイツには約3万6千人の米空陸部隊が駐留している。その1/3に当たる1万2千人を削減するという。これは駐留経費負担金値上げ要求に対するドイツ政府の反対が影響しているが、この問題はドイツ政府はもとより地元基地にとっても経済的に厳しいダメージを受ける。駐留米軍は、一部はベルギーやイタリアへ配置転換されるようだが、残りは帰国する。ドイツ国内では駐留米軍への不満は日本と違ってあまり聞かれない。比較的地元に馴染んでいることが大きい。実際駐留地では特別な産業がないということもあり、米軍が去ってしまうと活性化しなくなることもある。それが日本の基地とは大きく異なる点である。住民と米兵との関係も頗る良いと聞く。アメリカの退役軍人が、ドイツの駐留基地周辺に残り住み続けている例がかなりあるともいう。日本ではとても考えられない。

 今最も駐留米軍部隊を抱えているのは日本であり、その数実に5万5千人である。トランプ大統領は、日本に対しても、また韓国に対しても大幅な増額負担を求めている。

 トランプ大統領の思惑は単純である。「アメリカ第1主義」と大統領再選狙いから、アメリカがかかる費用を極力相手国に負担させ、国内の支持を獲得しようとの腹である。これまでの外交実績をあまり配慮しようとしない。それがメルケル首相とオバマ前大統領との蜜月が、トランプ大統領になって壊れた原因である。

2020年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com