4859.2020年8月31日(月) 自民党新総裁選出の裏舞台と派閥力学

 次期首相選びが始まった。その前にいつもの通り自民党新総裁選びに「ぬえ」のような妖怪が現れた。誰が立候補するのか、まだ判然とはしないが、岸田政調会長と石破元幹事長が意欲を示しているのに対して、闇の中の妖怪・二階幹事長と不明瞭な取り決めをして菅官房長官が出馬することに決まったようだ。

 394名の国会議員に全国の党員などの394票を加えた788票で決める通常の党大会を開かず、国会議員394人と都道府県連の代表各3人による141票を合わせた535票によって開かれる両院議員総会でほぼ決まりそうな雲行きになって来た。これは地方で人気のある石破氏の勢いをそぐ狙いがあると見られている。

 どうも不自然なのは、あれほど首相を目指す気はないとメディアで広言していた菅官房長官が、一昨日二階氏と闇取引をしたのか、その直後に態度を翻し総裁選に出る意思を示したことである。菅氏は、目の前に転がり込んできた美味しそうな餌には、例え人を裏切ってでも欲に駆られるほど旨い話には目がない人なのである。そういう人物が無難に8年近くも安倍政治を手伝ってきたという蔭の実績にかどわかされて自民党の幹部連が、目くらましをかまされているのである。

 2つ目の疑問は、党大会で総裁を決めるには、時間がかかり過ぎて政治の空白が生まれ難しいと簡単に両院議員総会で選任しようと決めようとしていることである。しかし、6月17日に第201回通常国会が閉会してから国会議員は長い夏休み中で、新型コロナウィルス対策の対応などもあり野党から臨時国会開催を求められながら、大した議案がないとして応じようとしなかった。実は、今日まで国会議員は本業がなく暇だったのである。今日のツィッターで日本共産党の小池晃書記局長が、「2か月以上国会開かず、空白作ってきた張本人たちが、なにをいまさら」と呆れている。

 今日のエンタメ番組で政治評論家諸氏の大方の予想は、人気で圧倒している石破氏が自民党内の派閥抗争でほとんどの議員を菅グループへ奪われ、すでに菅氏が過半数を得ていた。前言を翻し、派閥間の争いで票を勝ち取る、昔ながらの自民党流の菅氏のやり方には呆れるばかりである。いつまで旧態依然とした非民主的な選挙をやっているのだろうか。こんな新総裁の決め方で就任した新首相が、果たしてクリーンで責任感の強い首相として国民を引っ張っていけるのだろうか。

 仮に菅官房長官が次期首相に選任されたとするなら、また裏の政治というものが蔓延るのではないだろうか。暗然とせざるを得ない。

2020年8月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com