4858.2020年8月30日(日) 自民党新総裁は、いつ、どうやって決まるか。

 安倍首相が辞任を表明してから、次期首相の候補者として自民党内では自薦他薦を含めて現時点で岸田政調会長、石破元幹事長、そして執拗に官邸政治を行ってきた安倍首相を傍で支えてきた菅官房長官の3人が有力視されている。しかし、菅官房長官は先日テレビ出演の際薦められても総裁選に出る考えはないときっぱり言い、メディアの質問にも同じように応えていた。

 そもそも菅官房長官が次の首相候補に挙がること自体おかしい。安倍体制の実情をよく知り、それを支えてきたからこれまでの安倍政権を踏襲するには適任との声が強いようだが、その反面安倍首相への疑念と不信を最もよく知り、外部からの反論を盾となって守ってきたのが官房長官である。安倍首相への疑念と不信は、官房長官への不信でもある。特に、安倍首相が「森友学園国有地払い下げ」、「加計学園特別区学部新設問題」、「桜を見る会」など不審を抱かれた問題をうやむやにし、公文書改ざん及び廃棄を隠蔽した「闇」の裏には、菅官房長官が手を貸していたことは間違いない。それらの疑惑は、官房長官も当然負うべきであり、他人事のような顔をして次の総裁選に出馬を考えるなぞおこがましいと言わざるを得ない。

 それが周囲のおだてと忖度に浮かれて、本人もまんざらではなくなり自分を見失ったようで、昨日二階自民党幹事長との会談の後に自民党後継総裁選に出馬する意向を固めたとのニュースが伝えられた。また、党内の派閥関係によって決められるような気がしている。

 総裁選出に当たっては、地方の全党員の投票は時間的な問題もあり、国会議員と各都道府県支部からそれぞれ3名の代表によって投票を行う案が優勢だというが、実際には地方の党員の間に人気のある石破元幹事長を不利にする意向が自民党幹部や、菅官房長官の中にあるからだと見られている。一応9月15日までに新自民党総裁を決定して、その後の臨時国会で新首相を指名決定するスケジュールが考えられているようだ。

 新型コロナウィルス感染拡大の下で、内外に問題が山積しているが、次期首相にはウソをつかない、疑念に誠実に応え、責任を痛感するような事態が起きたら説明責任を果たす誠実な人物が求められる。

 首相が辞任の意向を表明した時、中国外務省報道官は日本国内の問題についてことさらコメントはないと突き放していたが、今日の中国共産党系「環球時報」には、「アメリカが対中包囲網を全面的に展開して中国を追い詰めようとしている今、中国は日本を味方に引き入れなければならない」、「日本に日中共通の利害を強く認識させる」とコメントしている。日米の絆を切り崩し、日本を中国の同盟圏へ巻き込もうとの意図が感じられる。

 また、テレビ局CCTVでは、「日本の本来の狙いは憲法改正と東アジア地域における安全保障の強化である」「中国が最も警戒しているのは、中距離弾道ミサイルの日本配備だ」「習近平国家主席の国賓としての招待を中止すべきである」として、今年コロナで延期になった招待の取り消しを求めている。

 中国は、新首相に対してもこれからいろいろ注文をつけてくることだろう。新首相にはこれらの難しい問題にも堂々乗り切っていける人物を期待している。

2020年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com