4856.2020年8月28日(金) 安倍首相、健康不安により辞任表明

 今日午後5時首相官邸で開かれた安倍晋三首相の記者会見をテレビで観ていた。この席で首相は首相の職を辞することを正式に発表した。かねてより健康不安が取りざたされ、6月に慶應病院の人間ドック検査で持病の潰瘍性大腸炎が進んでいることが分り、その後も2度検査の結果、新薬を服用するようことになったが、健康状態を維持しながら、新型コロナウィルスが猛威を振るう中で首相としての激職を務めることが難しいと判断されたようだ。

 会見では、新型コロナウィルス対策と安全保障の2点について特に言及した。国民に約束した北朝鮮拉致問題を解決出来なかったことは痛恨の極めであり、憲法改正と日ロ平和条約締結が志半ばだったことは断腸の思いだと語った。

 安倍首相が就任した2012年12月までは、首相が毎年のようにころころ変わり海外のメディアからも冷やかに見られていたが、去る24日に首相として連続最長在任日数を記録してその点は解消されたように思う。だが、長いばかりが能ではない。「一強多弱」に胡坐をかいたとの批判は免れない。

 長期政権の気の緩みであろうか、2016、17年に森友学園の国有地払い下げ、並びに加計学園岡山理科大学獣医学部新設問題を、公文書改ざん・廃棄などによって闇へ葬り去ったり、「桜を見る会」では税金を投入した首相主催のイベントに首相の後援会関係者を優先的に招待し、その招待者の中にはそれを宣伝に利用して知名度を上げる手口まであった。これらすべてに安倍首相、及び昭恵夫人が関わっていたことは明らかである。森友学園問題では、首相はもし関わっていたら首相はもちろん、議員も辞職すると国会でタンカを切ったが、職員に自殺者を出すほど疑惑を持たれた事件について、首相は説明責任を一切果たさなかった。

 首相辞任のニュースは、即座に海外へも流れ、各国とも速報として伝えていた。長期政権だっただけに知名度もあり、例えお世辞としても各国首脳も首相の手腕を評価していた。安倍首相は、各国の首脳と必ずしも相性の良くないアメリカのトランプ大統領と、意外にも最初から気が合ったようで、2人ともその点は認めている。電話会談を含めて安倍・トランプ会談は4年足らずの間に約50回持たれたというから、結果はともかく2人の親密な関係は評価出来ると思う。ただ、一筋縄では行か大幅な負担増額を求めてくることは充分予想される。

 今後安倍首相の後継者問題も新たな焦点となる。すでに石破茂元幹事長の如きは、首相候補に名乗りを上げ、早くも夜のテレビで売り込んでいた。これから当分後継者争いが過熱することだろう。

 今日日経平均株価は午前中上がっていたが、首相の辞任公表と同時に下がり始め終値は対前日で326円も下がった。

2020年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com