4847.2020年8月19日(水) ベラルーシ、大統領選疑惑で大揺れ

 来る11月に行われるアメリカ大統領選挙で、共和党のトランプ現大統領に挑む民主党候補者にジョー・バイデン前副大統領が正式に決定し、同時に先日指名された副大統領候補者に初めて非白人の女性カマラ・ハリス上院議員が決まった。現時点では、僅かにバイデン氏がリードしているようだが、まだどうなるかは予断を許さない。

 トランプ大統領は思い込みが強く、特に人種については偏見が見られる。黒人、非白人、移民への差別感、反面ユダヤ人へのシンパシーは些かアクが強すぎる。国際的には、「アメリカ・ファースト」が露骨で利己主義に捉われて世界の人びととの間に垣根を作っている。新型コロナウィルスへの初期対応が遅れたため、今やアメリカは世界最大のコロナ感染国になってしまった。功罪半ばならまだしも、わからずやで常に興奮気味の口撃により世界と自国アメリカの一部に論争を仕掛けて多大の迷惑をかけている人物であることは間違いない。11月の本番で、実際にバイデン氏がトランプ大統領を破ることを願って止まない。

 さて、旧ソ連領のベラルーシ国内ではこれまで26年間に亘り独裁体制を敷いて、去る10日に6選を果たしたばかりのルカシェンコ大統領への抗議デモが拡大している。抗議行動の発端は、9日に行われた大統領選直後から票の操作などの不正選挙が行われたと疑惑の声が上がったことである。しかし、翌10日に選管が、ルカシェンコ氏が80%を獲得し地滑り的勝利と発表したことが火に油を注ぐ結果となり、一層抗議の声が高まった。実は、選挙で対立候補となったチハルノスカヤ女史がある出口調査では支持率が80%を超えていたことから国内外で開票結果に疑問が出ている。首都ミンスクでは6万人を超えるデモとなり、大統領の退陣を求めて大規模なストも予想されている。治安部隊がデモ隊鎮圧に乗り出し、7千人が逮捕される有様である。デモの背景にはベラルーシ国民とルカシェンコ政権の乖離がある。ルカシェンコ大統領は経済低迷と長期政権で人気が低迷し、アメリカと同様にコロナ対策にも手を拱いて国民の反発を呼んだ。アメリカやEUはベラルーシへの制裁を検討している反面、旧ソ連領だったベラルーシに対しては、ロシアが支援を約束している。ベラルーシの現状は、まるでプーチン大統領の長期独裁政権と経済低迷の生き写しである。

 それにしてもどうして国内外から評判の悪いベラルーシをロシアは自ら欧米の評価を下げることまでして支援するのだろうか。それはプーチン大統領が、あくまで長期独裁の権力志向を持っているからだ。発展途上国のロシアがいつまで経っても古い抜け殻から脱出することが出来ないのもそんな独裁者の権力志向と私利私欲のせいである。

2020年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com