4841.2020年8月13日(木) 終戦記念日が近づくにつれ戦争報道が増える。

 明後日の終戦記念日が近づいてくるに従い、メディアで戦争に関する報道が増えて来る。昨晩はNHKでガダルカナル島の壮烈にして悲劇的な日米の戦いのドキュメントが放映された。40年近く前にガダルカナル、ブーゲンビル、ラバウルに行ったことがある。ガダルカナル島については、テレビ東京の同島遺骨収集番組について批判的なコメントを近刊拙著に書いている。

   ガダルカナルではジャングルの中まで入らなかったので、旧日本軍兵士が飢餓に苦しんだ環境などは分からなかったが、沈没船や旧日本軍の高射砲などを見たり、戦史に書かれている空港から旧一木支隊が歩いた道筋を辿って感慨深い気持ちに襲われたことが印象深く残っている。昨日のドキュメントでも、日本参謀本部の稚拙な作戦を伝えていたが、一時は日本軍にとって有利に展開する場面が訪れていて、それはアメリカでも認めている。もし、そうなったらアメリカはガダルカナルから撤退し、作戦の変更を考えなければならなかったとアメリカの戦史研究家が語っていた。幸い戦後75年の間日本は戦争から遠ざかることが出来た。

 しかし、昨今の河野防衛相や首相をはじめとする自民党政治家の発言を聞いていると、下手をすると戦争の片棒を担ぎかねない危ない発言が頭をもたげている。

 最近朝日朝刊紙上に池澤夏樹の連載小説「また会う日まで」が始まった。元海軍少将が思い出すままに語っているところだが、その中にこんなことが書かれていた。「戦争の行方は準備の蓄積αと時の運βの積として決まる」ということである。「αxβ=戦争の決着」とでも言ったら好いのだろうか。結局連合艦隊を造れば、大金を消費し準備も充分なので、時の運が良ければ、戦争には勝てる。だが、総じて運が伴わないことが多い。負けるということになるのだろうか。ガダルカナル戦はそうだった。

 さて、相変わらず収束の兆しが見えない新型コロナウィルスが、感染者が世界合計で2,062万人、死者が75万人となった。感染者が多い国は、依然アメリカの519万人を筆頭に、以下ブラジル、インド、ロシア、南アフリカが続いている。死者はアメリカの16万人、以下ブラジル、メキシコ、インド、イギリスがワースト5である。

 コロナを軽視して感染の拡大を招いたトランプ大統領のアメリカでは、11月の大統領選に向けバイデン民主党候補者が、副大統領候補者に初めて非白人の女性カマラ・ハリス上院議員を指名した。早速トランプ大統領は、彼女を評して不快で嫌らしく、意地悪だと罵詈雑言を浴びせている。もう少し自重出来ないものだろうか。こうしてアメリカ大統領選は、益々下品な戦いになっていく。ハリス議員にぶつけられた言葉をそのままトランプ大統領自身に返してやれば、むしろぴったりではないか。

2020年8月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com