4781.2020年6月14日(日) 首を傾げる発言と難しい英語表現

 今朝TBSテレビで「サンデーモーニング」を観ていて、あれっと思った。姜尚中・東大名誉教授がレギュラー・メンバーとしてトークをしていたが、この中でアメリカの黒人暴動に絡む問題を話した時、こういうことを言っていた。

 黒人問題はアメリカが抱える問題の中でいつも人種差別はいけないという形で終わる。オバマ大統領が黒人大統領として「10年間」の在任中に問題解決に当たったが、解決することは出来なかったという主旨の発言である。姜教授はなぜ「8年間」の筈なのに「10年間」と言ったのだろう。この「10年間」という言葉を疑問に思った。「10年間」という表現を何度も使ったのだ。うっかりとも思えないくらい度々使ったのは、意図的なのかどうかは別としても少々軽率ではないだろうか。姜教授はこの点について何も語らなかった。この姜教授の発言に対して司会者、同席者、リモート参加3人が誰ひとりとしてサジェスチョンをしなかったし、番組でも何の訂正もしなかった。アメリカ大統領の任期が1期4年であることは、誰しも承知しているし、今ではトランプ大統領2期目の選挙直前ということもあり、常々4年ということが言われている。それが東大名誉教授にして何故気恥ずかしくなるような大統領任期が2期10年という言葉になったのだろうか。

 馬鹿々々しくてその後これを観ていないが、東大教授にしてはお粗末ではないか。それにしても番組ディレクターか、誰かがそっとメモ用紙を手渡すことぐらい出来なかったのだろうか。朝っぱらからすっきりしない気分になってしまった。

 さて、今黒人差別問題で全米にデモが展開されているが、しきりに‘BLACK LIVES MATTER’というセンテンスが使われている。初めてこの言葉を見た時、学校で学んだ英語教育の常識から、主語と自動詞は佳しとして、その後に目的語となる名詞が付随するのはおかしいのではないかと首を傾げた。大学入試問題では絶対に出題されない文章である。同じような疑問を抱く人が多いせいか、メディアでもかなり取り上げられている。それによると直訳では「黒人の命は(も)大切だ」と訳されている。受験生並みの理解力では、そういう直訳は出来ない。しかも日本語訳には‘MATTER’がまったく使用されていない。大体‘LIVES’は、他動詞ではなく、自動詞なので続く単語は補語として形容詞的な単語が必要なのではないかと考えてしまう。海外へ出かけると好い加減な「コンドー語」で誤魔化しているが、受験から一歩も進まない英語力では、こういう時に困惑することになる。

 それにしてもアメリカで問題なく使われている文章であっても、日本で習う英文法と異なるのは少々戸惑うところである。もっともっと現地語に通暁することが大切であると教えられているような気がする。

2020年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com