4727.2020年4月21日(火) 「2賊」、国会議員と高級官僚は厚遇されている。

 新型コロナウィルス対策の一環として、政府は補正予算を組み必要な財政支出をすることが決まった。最も注目されている全国民に1人当たり10万円を給付するための出費が12兆8千億円とされ、他の緊急経済対策費も含めると117兆円に達する。これをすべて赤字国債によって賄うそうだが、大丈夫かと問いたい。すでに日本の累積赤字額は1,100兆円にもなる。普段から赤字財政が問題とされ、財政立て直しを叫ばれながらも政府自民党にはこれを実行して赤字を減らそうとの声と具体策が一向に出てこない。出費があるなら、それをどうカヴァーするかとの議論が当然行われるべきであるが、ほとんど行われていないのが実情である。今回の臨時支出に伴う赤字は、果たしていつどうやって解消するのか。むしろ年々増えるばかりではないだろうか。

 その一律10万円の給付について、昨日安倍首相は全閣僚に受領を辞退するよう求めた。閣僚からも議員からもそのような声が聞かれなかった。首相の要求は当然であるが、それより国会議員全員が辞退すべき対象であると思う。国家財政が苦しい時に、国会議員や国家公務員は国の税金から給付金をいただくことになるのだ。コロナウィルス騒動によって収入が減るわけではない彼らが、そのうえに国民の税金から給付金を受け取ることに彼らは心苦しくはないのだろうか。どうして彼らの方からそういう当然の話が言い出されないのだろうか。

 また国民への財政支援なら自治体ともども公共料金の支援とか、例えば、水道料金、電気料金、ガス料金、NHK受信料金等々、満額というほどではないが、家庭への支援に打つ手はあると思う。また、どうしてメディアもそのような世論を喚起するようアピールしないのだろうか。

 韓国の詩人、金芝河がいみじくも指摘した「五賊」の内、2賊は「国会議員」「高級公務員」として「国民から財を吸い上げて贅沢三昧をする」と厳しく非難している。どこの国でも同じようだが、国会議員と高級官僚は国民の財産を吸い上げる人たちと考えられている。それを今またやろうとしているのだ。これはメディアが鋭く追及すべきであるが、それが出来ない何かがあるのだろう。岩瀬達哉氏の著書「新聞が面白くない理由」(講談社刊)の中にこういう文言がある。

 「知っていて書かないのか、知ろうとしないから書けないのか、『新聞』は権力の腐敗を書かないことによって、権力の側からさまざまな特権を与えられている」。

2020年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com