4718.2020年4月12日(日) 緊急事態宣言の効果表れず。

 新型コロナウィルス感染拡大によって日本中が意気上がらないようだが、セルビアのベオグラードに住む友人の洋・ブケリッチ・山崎さんから現地の様子をメールで伝えてくれた。西欧の様子は事細かに紹介されるが、旧東欧圏の国々の状況がまるで分らない。

 彼のメールに依れば、セルビアではすでに3月15日に日本の緊急事態宣言より深刻な非常事態宣言が出されたという。人と人の濃厚接触を防ぐために夜間の外出禁止や週末の外出禁止が徹底しているようだ。65歳以上の人びとの全面外出禁止などの措置が取られているそうだが、少々やり過ぎではないかと思うくらいである。これら65歳以上の人びとのために毎週1度、定められた日に朝4時から7時までスーパーを開店させ買い物をさせているというから本気であることが分かる。彼も79歳なので、もちろん週1度のチャンスに買い物より散歩をしたくて外出するという。途中で知り合いと会っても挨拶もしないという。それでも運動不足だと嘆いていた。

 しかし、EUで感染が拡がり大量の失業者が発生してセルビアでは自国の出稼ぎ労働者の帰国を拒否することが出来ず、非常事態宣言以降も出稼ぎ労働者が10万人以上も帰国した。その点では、日本の緊急事態宣言なんて判断はまだ甘いかも知れない。

 世界の感染者は177万人となった。死者も増えて10万8千人となったが、死者が多いのは全て欧米先進国である。トップのアメリカで2万人以上、以下イタリア、スペイン、フランスが1万人以上、そしてイギリスの9,875人が続いている。常に世界のリーダーを自称している彼らの実態とはこんな程度のものなのだ。アメリカでは、特にニューヨークの感染が群を抜いており、10日だけで783人が亡くなった。NY市長は今月20日までとしていた市内の公立学校の休校措置を6月まで延長する方針を示したところ、それでは9月の新学期まで休校となる。今度はNY州知事が他の市町村と調整する必要があるとして市長の延長措置は無効との見解を示した。少々日本政府と東京都の見解の相違に似たようなことが発生しつつあるようだ。

 今日も東京では166人の感染者が出た。小池都知事がしきりに外出を控えるようテレビで訴えているが、まだ実効が表れてはいないようだ。今日の人出をテレビ画像で見る限り盛り場では確かに人の数は減少している。しかし、いつも商店街として賑わっている戸越銀座商店街の様子は普段と変わらないくらいの人出である。まだ現時点で、この現象を深刻に受け止めていない人が多いようだ。実際歩行者へのインタビューでは、こんなにたくさんの人が歩いているとは知らなかったと彼ら自身が驚いていた。この直後の小池都知事の都民へのお願いでは、地名こそ名指さなかったが、この地域の外出を極力控えるよう重ねてお願いしていた。まだ「3密」が徹底されていないことが分かる。これではまだ当分の間収束は難しいのではないだろうか。

2020年4月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com