4716.2020年4月10日(金) 月刊誌「選択」4月号を読んで

 政府は昨日新型コロナウィルスの感染拡大を抑えるために緊急事態宣言を発令したが、国と東京都と中々折り合いがつかず、今日漸く東京都は対応策を公表した。欧米諸国に比べて強制力は持たず、損失を被る企業に対する補償も微々たるものであるが、それでも政府と東京都は若干考え方が異なり合意に至っていなかった。幾分東京都の主張が認められたようではある。それは東京の感染者数がこのところ増え続けていることを配慮したようだ。

 医療関係者は早いうちから宣言を待ち望んでいた。今晩0時から実施されることになるが、海外の実態を見ていると早急には収束へ向かうとは考えられない。一体いつになったら明るい兆しが見えて来るのだろう。

 さて、このところ取り掛かっている近著ドキュメント作品も最後の仕上げにかかっている。内容的にはこれまで2度の海外武者修行の危なかった体験に加えて、その後ひとりで仕事、プライベートで出かけた旅行の体験談にメディア批判を交えて書いている。来週末までには出版社に原稿を送ることになっており、ここ数日は毎日校正、推敲に追われている。幸い冒険作家の椎名誠氏から表紙帯に推薦文をいただいたので、販促には随分効果的だと期待している。推敲は何度やっても、修正箇所が出て来るが、あと2回程度はやろうと思っている。

 ついては、もう20年ほど定期購読している月刊誌「選択」今月号のある記事についてである。同誌は中々鋭い視点で深くテーマを抉り、一般紙にはあまり取り上げられないような記事を掲載しているので、毎号興味津々で読んでいるが、企業の内情とか、個人的に厳しいことまで無記名で記事にしている点で、かなり対象者からは苦情が寄せられるのではないかと思っていた。それが、何と名誉棄損訴訟で訴えられ、弁護士などの諸費用が昨年購読料値上げの理由のひとつであると4月号には説明されていた。

 相当なクレームがあったことが察せられる。その訴訟を起こした人物の名が書かれている。安倍首相とその兄、金子原二郎・参議院予算委員長、北村滋・内閣情報官、中原伸之・元日銀政策委員会審議委員、藤木幸夫・横浜港運協会会長、イオン、パチンコのマルハンの名が挙がっている。いろいろ問題がある人たちである。偶々今日東京都が発表した休業要請には、パチンコ業界も挙げられていた。総理大臣から名誉棄損で訴えられても、「選択」誌は差し違いも厭わず、怯まない覚悟のようである。これくらいの覚悟がなければ、あれだけ説得力のある鋭敏な文を思い切って書くことは無理だということでもある。

2020年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com