4685.2020年3月10日(火) 75年前の今日、東京大空襲

 もちろん記憶にはないが、今から75年前の今日東京、主に下町辺りが米空軍B29爆撃機約300機から攻撃を受けて一瞬にして街は灰燼に帰し、約10万人の生命が奪われた。正確な犠牲者の数は未だ分かっていない。残念ながら今年は今流行している新型コロナウィルスの影響で、東京都慰霊堂で行われた法要では、例年出席される秋篠宮ご夫妻と小池都知事は出席されず、規模を縮小して遺族は代表ら10名が参列しただけだった。また、都庁で予定されていた東京都主催の追悼式は中止された。

 東京大空襲を行った後、米軍は4月1日に沖縄へ上陸し、6月23日沖縄の戦闘は終結した。最早日本は戦力も、士気も弱体化して敗戦は目前だった。そこへ8月に入って広島と長崎に原爆が投下され日本は息の根を止められた。そして15日に日本はポツダム宣言を受け入れ降伏することになった。これで終戦である。にも拘わらず、ソ連軍が北方領土へ侵入して南樺太と北方4島を占領して今日に至っている。

 国内でも理解し難いのは、東京大空襲で被害を被った犠牲者の遺族は、国に対して補償と謝罪を求めて最高裁まで争ったが、認められなかった。しかし、軍人と軍属には60兆円の巨額な補償が成されたのである。こんな理不尽なことがあるだろうか。むしろ、補償されるべき対象はその逆で、一般庶民に対して補償すべきではないだろうか。

 わが家も都内中野の家屋が焼失した。残っているのは宝仙寺内にある先祖のお墓だけである。幸い祖父母はその当時湘南鵠沼の別荘で生活していたので、焼け出されるような事態にはならなかったが、補償なぞはまったくなかったと祖父から聞いていた。一時我々家族も祖父母の別荘の近くに住んでいたが、大空襲の半月後には父の転勤と疎開を兼ねて房州へ転居し、私はそこで国民学校初等科へ入学した。それから終戦までの半年間は、毎日米空軍の空襲におびえていたものである。国民学校1年生の時に終戦を迎えてから3/4世紀が経つ。実に感慨深いものがある。

 さて、もうひとつの戦争は今流行っている新型コロナウィルスである。相変わらず世界中を恐れさせている。経済の先行き不透明感が世界の金融市場を揺るがしている。昨日のニューヨーク株式市場では、何とダウ工業平均が史上最大の2,013㌦安の急落となった。慌てたトランプ大統領は、急遽給与税の減額や、企業向けの金融支援などの経済対策を講じた。

 ヨーロッパでは観光立国のイタリアの感染者が急激に増え、昨日で感染者9,172人、死者は463人となり、イタリア政府は4月3日まで、イタリア全土ですべての人の移動を制限する新たな政令を出すと発表した。ヴェネチアや、ミラノでは人影もまばらになってきた。

 今夕7時のNHK「ニュース7」では、30分の放映時間のうちコロナウィルスがらみのニュースばかりでほぼ25分を費やした。他の民間報道番組でもほとんどコロナウィルスに関するものだった。やはり多くの人が暗い気持ちになると言っていたが、まだまだ終息の見通しは立っていないようだ。

2020年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com