ついに出版記念会の当日となった。開宴は午後1時であるが、荷を積み込んで朝9時に家を出た。妻の和服の着付けのため、やや早めに会場の「ハイアット・リージェンシー東京」へ向かう。毎度会場で手伝ってくれる懐かしい人たちも今度も来てくれた。元会社の同僚、宮田さんに小野さん、そして新たに2人の慶應の女子学生に受付をお願いした。それぞれ一所懸命お手伝いしてくれ、スムーズに受付業務をやってくれた。
パーティの冒頭にスピーチをお願いしていた、いま超多忙の森喜朗元首相のご到着が遅れたので、順番を繰り上げ佐々木信也さんに最初のスピーカーとなってもらった。次いで、急遽来られなくなったジョン・フリッツ・ミクロネシア連邦駐日大使閣下の代わりに親戚の相澤光春さんに挨拶してもらったところで、森元首相が姿を現わされた。森さんのミクロネシアに対する思い込みは殊のほか強く、全出席者に対してミクロネシアを訪れるようしきりにPRしたり、来年終戦70周年の節目にパラオ巡拝を予定されている天皇・皇后両陛下に、将来早いうちに何とかミクロネシアを訪れて欲しい期待をオフレコと断りながらも本音を述べておられた。
この両陛下ミクロネシア巡拝の件については、拙著にもちょっと触れたが、現状では森さんも懸念していたようにミクロネシアの受け入れ態勢のハード不部分が充分ではないように感じている。森さんはこの後打ち合わせがあるからとそそくさと会場を後にされたが、そんな忙しい中でも私の出版記念会のために時間を差し繰って出席していただけたことは光栄であるし、有り難いと思っている。慌ただしかったため残念ながら森さんとじっくり話をすることができなかった。
佐々木さんも相澤さんも拙著の上梓を大変高く評価していただいたことが嬉しい。この他にスピーチは小中陽太郎氏、ベオグラードから来られた山崎洋さん、「出版ニュース社」社長の清田義昭氏、湘南ラグビー部仲間の大島泰毅くんにお願いした。それぞれ好意的に、実態を話してくれた。本席に約100名の友人、知人に出席していただいた。
甥の江上友彦が率いたジャズ・バンドが終始会場内で演奏してくれて、やはりBGMに比べると格段に迫力があっていい。これも評判が良かったようだ。
妻と私は3時間以上に亘って立ちっ放しだったうえに、ほとんど食べ物を口にしなかったので私の謝辞を最後に、お開きとなった時には相当疲労を覚えた。しかし、出席者からは良いパーティだったと言ってもらい、準備を含めて今日の本番に対して労を労ってもらったことは嬉しかった。
フリッツ大使からはお花に祝電までいただいた。他にもお花を大島慎子・JAPAN NOW観光情報協会理事長と湘南ラグビー部OB会有志からと立派で大きな花飾りを現代書館社長からいただいた。祝電は近藤誠一・前文化庁長官、滝鼻卓雄・元読売新聞社東京本社会長、大島慎子さん、時乗洋昭・湘南高校長、門田庄之助・湘南ラグビー部OB会会長、ラグビー部先輩井上篤太郎さんからいただいた。有り難いことである。会場のすべての出席者から上梓をお祝いしてもらい、感動している。このノンフィクションを書いて本当に良かったとつくづく感じ入っている。
約4カ月に亘る長い準備を経て何とか滞りなく出版記念会を終えることができてほっとしている。温かい言葉をいただいたり、気持ちを慰めてもらって、苦労は消えた。今後このようなパーティは心身ともに厳しいので、開催することはないと思うが、その意味でも今日のパーティを何とか無事に終えることができたことを密かに喜びたいと思っている。妻も疲れたと言っていたが、万事うまくいったことを喜んでくれた。それでも本音を言えば、とにかく疲れた。今日はゆっくり休みたい。