4643.2020年1月28日(火) オリンピック後、外苑・青山地区が大変貌

 昨晩は東京、神奈川、山梨方面に降雪があったようだが、早朝からの雨に消されてしまった。微かにガレージ上の芝生と隣家の屋根瓦に残り雪があった。それだけに今日は寒さも一入だった。午前中は5℃にも届かず、最高は6.8℃だった。ところが大阪では最高温度が19.1℃でこの時期としては過去百年にないほど高く、街を歩く人の中にはYシャツ姿の人もいた。所変われば気温も変わる。とにかく変わりやすい陽気である。

 さて、東京オリンピックもあと半年内に迫ってきたが、使用される競技場や、室内体育館施設も新設、改築を含めてほぼ整備されたようだ。最近のオリンピックではメイン会場の完成が遅れるところもあったが、2020東京大会はほぼ完成し、計画性、工事技能、建築力などの面で日本らしく流石と思わせる段取りだった。

 ただ、ここへ来て別の面で首を傾げる事態に正直言って驚いている。それは外苑地区のスポーツ施設が全面的にイメージチェンジするからである。当然周辺住民から反対の声が上がった。この辺りは自然景観を維持する目的で日本初の風致地区に指定され、建物の高さも15m以下に制限されている。ところが、東京オリンピックに立候補して以来、その制限を取り払ってしまったのである。その結果、国立競技場の建て替えで数百本の木が伐採され、外苑地区が大分変ってしまったという。

 最も著しい変貌は、秩父宮ラグビー場と神宮野球場が場所を交換する形で取り潰し、新築されることである。しかも現在主に東都大学野球が使用している神宮第2球場は取り壊され、なくなってしまう。秩父宮ラグビー場はそれほど痛んでいないし、秩父宮殿下の名を戴いたラガーマン憧れのグランドである。一方で等価交換?される神宮野球場も学生野球のメッカであり、東京六大学野球連盟にとっては歴史が摺りこまれたノスタルジックな野球場である。それをどうして破壊、新設などと手間をかけ、資金を投じて場所を変えて作り直す必要があるのだろうか。地元の人は、「プロスポーツ優先でアマチュアスポーツが無視されている」と怒りすら覚えているらしい。15m以内だった周辺のビルも200m以内の高層ビルに建て替えられるだろう。

 自然と景観を誇っていた青山界隈も、周辺住民の声よりもその近くに住まない建築家や、デザイナー、都市計画者の声が通るようになったということだ。

 ラグビー場の完成は2026年、野球場は31年で、再開発全体が終わるのは2035年というから、我々「高貴」高齢者は冥界から始球式を眺めることになるだろう。

2020年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com