4637.2020年1月22日(水) トランプ大統領、弾劾裁判始まる。

 昨日からスイスのダボスで「ダボス会議」(世界経済フォーラム)年次総会が開かれている。2年ぶりに出席したアメリカのトランプ大統領は、自国礼賛のアメリカ・ファースト演説を行った。アメリカが世界で最大の経済大国で、最強の軍事大国であると誇らしげに語り、直接アメリカに利益はなくとも世界平和のために活動していたと相も変らぬ「アメリカ第一」を強調した。また、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんも会議に招かれ、地球温暖化について世界の政治家へ一日も早く二酸化炭素(CO2)排出削減へ具体的な行動を起こすようスピーチした。トランプ大統領にとっては17歳の小娘が自分を批判しているのが癪に障るのか、大人げもなくグレタさんにツィッターで皮肉を言っている。昨日は、グレタさんのスピーチを聞かずに会場を去ってしまった。

 トランプ大統領は、同盟国に対しても従来の同盟国外交とは異なり、アメリカがすべての面で損失を被っているとばかりに同盟国に対して国防費負担を要求している。韓国に対して5倍の米軍駐留費増額を求め、日本にも米国産軍需物資の購入を要求し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防費の負担も不公平だと話している。特にドイツには国防費が国内総生産(GDP)比の2%を要求している。

 加えて経済面で「何十年もの間、我々は自国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきた。自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら他国の軍隊を援助し、他国の国境を防衛してきた。しかし、これはもはや過去の出来事だ。これからはアメリカ・ファーストとなる」と押し付けがましく語っている。

 アメリカ経済が昨今好調を維持しているのも、自らの経済政策が正しいからだと自身たっぷりに語っているが、来る11月に行われる大統領選挙を視野に入れていることは明確である。

 このわからずやで我が儘のトランプ大統領も、アメリカ国内で必ずしも順風満帆と言うわけには行かないようだ。

 昨日から上院で「権力の乱用」と「議会の妨害」による大統領弾劾裁判が始まった。昨年トランプ氏が今年の大統領選でライバルになる可能性のあるバイデン前副大統領にダメージを与えようと、バイデン氏と息子に関する疑惑の調査をするようウクライナのゼレンスキー大統領に要求し、ウクライナへの軍事支援を凍結すると圧力をかけたというものである。陪審員となる上院議員は、与党共和党が53名で、野党民主党は47名だけに、トランプ大統領が弾劾される可能性は高くないと言われている。

 更に今ではトランプ氏のやることは何でもかんでも選挙対策であるが、最近意外な不安材料が出てきた。岩盤支持者にキリスト教福音派がいるが、彼らに疑問を抱かせる言動をするトランプ氏を必ずしも支持できないとする人々が現れてきた。

 自信たっぷりのトランプ氏だが、強引さと国内を分断する行動がそろそろ嫌われて来ている。このままトランプ大統領が下り坂へ向かうことを祈っている。

2020年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com