4610.2019年12月26日(木) カジノ開業前に代議士逮捕の不祥事

 一昨日中国の成都で開かれていた日中韓首脳会談が終わって、昨日は日中及び日韓の首脳会談が行われた。特に日韓会談は1年3か月ぶりで、目下外交関係が戦後最悪となった両国関係をどう打開するのか両国メディアも固唾をのんで見守っていた。しかし、相変わらずお互いに自国の主張を繰り返すのみで、最終的には今後外交当局間で協議を続けることで一致したに過ぎなかった。最も関係悪化の原因となった元徴用工問題は、従来の双方の考えそのままに平行線となり、問題解決は先送りされた。両国の異常な関係がそのまま先延ばしされただけだった。

 その一方で国内では、現職代議士が10年ぶりに逮捕されるという異常な捕物帳があった。

 2016年12月衆議院内閣委員会でカジノ解禁法の採決が強行された。賭博罪に触れるカジノの合法化につながる法案が、短時間の審議で委員長により審議を打ち切られた。その委員長が昨日逮捕された自民党の秋元司元IR担当副大臣だった。そのカジノを認めた張本人がカジノ事業への参入を目指す中国企業の接待を受けていたのである。そのうえ本人は否定しているが、中国企業の日本人社員が、議員会館の秋元代議士の事務所内で300万円を手渡したと証言した。

 まだ、カジノ事業参入者は決定していないが、事業には確実にあぶく銭を得られるとアメリカや海外の有力事業者がすでに名乗りを上げている。秋元代議士は、その権利を得るためには、IR担当副大臣である自分を経由すれば有利だと動いていたらしい。カジノ開設の可能性のある沖縄や、北海道留寿都村に出かけてはPRしていたが、いずれも自治体が断念した。しかし、3か所開設とされ可能性のある他都市でも今後秋元代議士の手を煩わすような動きがあると予想されていた時に、秋元代議士は逮捕された。依存症に陥ると警戒され、暴力団の出入りが懸念され、カジノ自体のいかがわしい風評が付きまとっている。そこへカジノ開設認可に合わせた贈収賄事件が発生したわけである。他にも秋元代議士の同期生である現職、元職代議士が今東京地検から事情聴取されている。

 すでに怪しい金の受け取りが、IR法の施行とともに行われた。後ろめたい事業を国が行う流れに沿って汚職事件が発生している。賭博事業として了解したうえで住民の強い反対の中をカジノへ名乗りを上げた横浜市では、林文子市長が先頭に立ちカジノは市財政に寄与すると見えを切っていた。しかし、果たして開設前に汚職が発生するようないかがわしい事業を認めておいて、市長として自信を持って市民への責任を果たしていると言えるだろうか。

2019年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com