4603.2019年12月19日(木) トランプ大統領、下院で弾劾訴追される。

 大分以前からどうなることやら気になっていたトランプ大統領に対する弾劾訴追が、野党民主党が過半数を占めるアメリカ下院議会(定数435)で賛成多数で可決された。これにより来年1月から上院で弾劾裁判が始まる。弾劾訴追の理由は「権力の乱用」と「議会の妨害」である。それぞれの案件で投票が行われたが、いずれも賛成多数で弾劾が決定した。ただ、下院は民主党が過半数を制しているが、これから弾劾裁判が行われる上院は与党共和党が過半数を制している。しかも弾劾を成立させるためには3分の2以上の賛成票を獲得しなければならず、トランプ大統領が罷免される可能性は極めて低い。それにしても大統領が弾劾訴追されるのは、17代アンドリュー・ジョンソン、42代ビル・クリントン大統領に次ぎ、史上3人目であまり名誉なことではない。

 弾劾に当たるとされた大きな理由は、バイデン前副大統領の子息がウクライナのガス会社の役員をしていた当時、創業者の過去について検察が立ち入り検査をしたが、その直後に検事長が解任された件で、バイデン元副大統領と子息が関与していたのではないかとトランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領を通じて資金援助を絡ませながら圧力をかけたと噂された。トランプ大統領にとっては来年の大統領選を有利に運ぼうとの目論見があったようだが、もちろんトランプ氏は否定している。弾劾裁判の結果がどちらに決まるにせよ、トランプ大統領にとって有利な材料とは言えないのではないかと思う。

 アメリカ人でない我々にとっては直接口も手も出すことは出来ないが、トランプ大統領の存在は世界にとって今やあまりにもマイナス要因が多すぎて、とても及第点は上げられない。

 今地球環境問題が国際的な話題になっている折に気候温暖化防止のためのパリ協定から身勝手な理由づけをして一方的に離脱したり、中距離核戦力全廃条約(INF)から離脱して核戦争への道へ回帰したり、多国間協定より2国間の話し合いを優先させて力で当面の相手国を威嚇したり、わがままな外交には、各国も戸惑いと不満を感じていることは明らかである。日ごろの言動も人種差別的であり行動にも品がなく、服装もだらしなく着こなして喚き散らしたり、まったくエチケットを心得ていない。性格的にも恫喝的で闘争心むき出しの人物である。そういう意味では、アメリカ人はよくもこのような大統領を恥ずかしく思わないのかと思っている。日本に対しても安倍首相と直接個人取引で高価な軍需物資を買わせたり、願わくば、トランプ大統領には来年の大統領選挙では当選して欲しくないというのが率直な気持ちである。

2019年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com