2756.2014年11月29日(土) 自民党が報道の自由に介入

 自民党が民放各局に対して衆議院選の報道について具体的な番組の作り方まで注文をつけ、公正な報道をするよう求めた文書を送っていた。NHKに対してはどうだったか明らかにはなっていない。これは明らかに報道、否言論の自由への政治の介入ではないかと危惧されていた矢先、テレビ朝日に出演予定だった評論家の荻上チキ氏と小島慶子さんがテレビ局の都合により出演辞退を要請された。電光石火と言ったら良いだろうか。これから自民党のやり方は益々あこぎになっていくのではないだろうか。

 文書には次の4点が盛られていたようだ。①出演者の発言回数と時間、②ゲストの選定、③テーマについて特定政党への意見の集中がないように、④街頭インタビューや資料映像の使い方、などについて公平中立、公正を期するよう求められた。自民党の政権幹部は一体何を恐れているのか。

 現状をよく見ていると安倍政権になってから、保守的だった姿勢が一層強くなり、今や右翼的というより極右的になり、言論の自由を侵す領域にまで露骨に踏み込もうとしている。来月の総選挙でも隠していた牙が白日の下に晒されることを懸念して、思想的な論戦は避けて政治的な課題は極力目に付かないよう目くらましをかませアベノミクスに焦点を当てた経済戦略を推進するようだ。

 このまま安倍政権の右翼路線がエスカレートすると、特定秘密保護法案や自衛隊海外派遣法案が成立した後には、翁長沖縄県知事ら反自民勢力を無視して沖縄を永久基地化し、更にその先に憲法改正があるのだろう。

 安倍首相のずる賢く陰険な点は、前広に正々堂々と持論を開示、展開するのではなく、アイディアを小出しにしながら国民が気づかぬ間に閣議で承認し、いつの間にか自分たちのやろうとする考えを実施路線に乗せて既成事実化してしまうことである。

 さて、今阿蘇山で噴火が激しくなっている。これに加えて火山噴火予知連絡会は、常時監視体制を取る必要がある火山として、八甲田山、十和田、弥陀ヶ原をその対象とした。9月に突然噴火した御嶽山の例を見るまでもなく、各地で火山爆発や噴火の可能性が密かに高まっているらしい。東日本大震災以来日本国内の地盤が緩んでいるというのが専門家の指摘である。

 こうなると共産党以外各党が原発再稼働を総選挙の争点に取り上げないのは、現実の日本社会のアキレス腱から目を背けているということにならないだろうか。

 何か今度の総選挙は本音を隠して上っ面だけで勝負しているように思えてならない。取り返しのつかないことにならなければ良いが。

2014年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com