2758.2014年12月1日(月) 中国圏に渦巻く不満の声

 早いもので早くも師走を迎えてしまった。このところ雑用が多く、いつもなら年賀状作成もスタートしている頃であるが、まだまだそこまで手が回らない。これから年末までせわしくなりそうな気がしている。

 さて、中国の一部となった香港と、中国とは別の国家である台湾が、今世界の注目を集めている。香港は2カ月余り学生団体が道路を占拠していたが、香港政庁はデモ隊の強制排除に乗り出し40余名を逮捕した。国民の声を一切聴こうとしない北京の中国政府が学生団体の意見を聞き入れる筈もなく、ついに学生たちの排除に乗り出したのである。そこには、香港市民から市民生活に支障を来しているとの声を香港政庁側が狡猾に利用した策略もあった。

 一方台湾では、29日に行われた統一地方選で与党国民党が惨敗した。国民党は台北市長選でも敗れ、しかも当選したのはライバルの民進党候補者ではなく、医師で無所属の柯文哲氏だった。要するに中国との接近を図っていた馬政権の外交政策は否定されたことになる。

 香港では香港をリモートコントロールしようとする北京政府の存在をくっきり浮かび上がらせた。他方で台湾では北京政府はノーを突きつけられたことになる。

 海外からは中国政府による今度の香港統治は思惑通り進められたように見られているが、台湾では大きく躓いた。中台接近がより緊密になったと見られていただけに、国民党のみならず中国政府にとっても大きなショックだったようだ。

 その中国指導部は北京に共産党、政府、軍の幹部を集めて、国際システムの改革を進め、中国の発言力を高めて欧米主導の世界秩序の変革を求めて行くとの姿勢を示した。アジア、就中南シナ海に進出して世界中から顰蹙を買っている中国は、身から出た錆とは言え、安全パイと見ていた台湾からもそっぽを向かれ出した。これで国内に抱えるウィグル、チベットなどの民族問題に火が点いたら、大国中国と言えどもそう簡単に収束することはできまい。ここはしばし立ち止まってよく考え、外国の民主国家の立ち居振る舞いをオブザーブしてじっくり見てみる時ではないだろうか。

 ところで、先日俳優高倉健さんが惜しまれながら世を去ったが、今日同じく俳優の菅原文太さんが亡くなっていたことを知らされた。菅原が高倉の後を追うように二人は似たような路線を歩んでいたが、彼岸へ旅立つのもほぼ一緒とは運命だろうか。残念ながら菅原の映画は観ていない。

 そして、もうひとり著名人の訃報が伝えられた。囲碁で一世を風靡し昭和の碁聖と呼ばれた呉清源さんが亡くなったのである。享年百歳である。私自身碁はまったくやらないが、子どもの頃からそのお名前は良く知っていた。心よりご冥福をお祈りしたい。

2014年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com