今日総選挙の公示が受け付けられ、早速選挙用の車がマイクで大音量を上げて候補者の宣伝をしていた。これから投票日14日まで毎日これを聞かされると思うと憂鬱になるが、まあこれも国民的行事と思えば、音声は音声として真剣に耳を傾けなければいけない。
各紙朝刊では申し合わせたように総選挙にかなりのスペースを割いて関連記事を掲載している。その中で少々気になった記事がある。先日自民党がNHKや在京テレビ局に送った文書である。昨日8党党首が討論会を行ったが、その際その文書の内容について記者から政権政党が圧力とも受け取られかねない行為だと質問したのに対して、安倍首相は公平公正にやれば問題ないと応えたようだが、この辺りが首相の些か幼稚な点で、総選挙を前に敢えて言うべきことではない。圧力と捉えられかねない時期に、ニアミス的な文書を送れば、それは圧力であると受け取られる可能性は高い。
今日手元に届いた「選択」12月号を捲ると、「マスコミ業界ばなし」に紹介された記事の2つの「はなし」の中のいずれもが、安倍首相及び自民党のメディアへの圧力に関するものである。
ひとつは、10月に共同通信加盟社編集局長会議で講演を行った首相は、驚いたことに共同通信から配信される記事は味付けをして、一面には掲載しないよう注文をつけたという。ふたつ目は、選挙期間中に放送される政党CMと新聞広告には、朝日、毎日、東京、テレビ朝日を冷遇するよう対応していることである。これは露骨な反自民メディアへの対抗策であろう。これでよくも「公正にやれば問題ない」と言えるのだろうか。
アベノミクスで浮かれていた日本経済について、アメリカの大手格付け会社ムーディーズが日本国債の格付けを落とした。消費増税の引き延ばしが、財政再建の遅れにつながるとして中国や韓国国債より下位に位置づけた。
所詮民間格付け会社が彼らの判断に基づいて決定を下したものであり、政府では一民間企業の格付けとしてあまり深刻には受け止めていない模様だが、政府は財政再建と膨張する国の借金について毎度なおざりにされがちであるが、もっと深刻に受け止めるべきであろう。
海外ニュースで目立ったのは、イギリス下院の議員団が民主派デモの続く香港の調査をするため中国への派遣を計画したところ、中国政府から入国を拒否されたことである。1984年の中英共同声明調印から30周年になるのを記念して、香港の「一国二制度」の実施状況を確認するための議員派遣だったが、中国政府としてはこれを内政干渉としてイギリスの申し出を頑として受け入れようとしない。やはりやましいのだろう。