2761.2014年12月4日(木) 総選挙立候補者に憲法改正論者が多い。

 総選挙も序盤戦が始まったばかりだと思っていたら、早くもメディアでは世論調査の結果から序盤戦の動向を予想している。それが思いがけない結果となっているので、少々驚いている。それは今朝の朝日、日経紙トップ記事の総選挙の得票予想に見られる。序盤戦の予想自体毎度のことであり格別騒ぎ立てるほどのことではないが、今朝の新聞分析によるといずれも自民党圧勝を予想している。戦前の予想とは逆の結果を報じているのである。これまでは自民党が改選議席295から0増5減も考えて現状維持は難しく、公明党と合せて絶対多数266議席は何とか獲得するだろう程度の予想だった。それが何と自民が更に議席数を増やしそうだという。現状295議席から300議席をも窺がう勢いだというからなぜそんなに自民党が受けるのか分からない。本当に自民党が300議席を獲得したら憲法改正に必要な2/3、317議席だって可能性の範囲に入ってくるのではないだろうか。

 更に頭を痛めるのは、立候補予定者の中に想像以上に憲法改正論者が多いことである。ここにひとつ大きな問題があると思う。これまで議員の憲法論は現憲法をどう思っているのか、敢えて言えば憲法改正に賛成か反対かぐらいは知っておきたかった。メディアでもこの点については、踏み込んで調査し報道することはなかったと思う。いかに憲法改正論者が多いかは、朝日新聞社と東大谷口研究室の共同調査で明らかにされている。

 憲法改正に賛成する候補者は、自民党、維新の会、次世代の党の大多数の他に、民主党でも反対を上回るというから意外だった。集団的自衛権の閣議決定に異を唱えている民主党の立候補者の考え方が、党の目指す方向とは異なっている。また、公明党の候補者で憲法改正賛成が反対の3倍もいるというのも知らなかった。

 もし、これが現実だとすると少数派の共産党、社民党を遥かに凌駕して、自民党政権は今直ぐにも憲法改正を実施することも可能だ。問題はこんな大事なことが、ほとんど報道されないまま不意打ちのように選挙へ突入してしまったことだ。これでは国民としては反対を唱える前に憲法改正賛成論者の議員が当選し、短兵急に憲法改正を決められてしまう。国民がこんなツンボ桟敷に置かれたままで良いのだろうか。メディアはもっと政治の動きを毎日正確に生々しく伝える責任があるのではないだろうか。

2014年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com