2764.2014年12月7日(日) 円の実力は過去40余年間で最低

 昨日に引き続き、また円の話である。昨日、今日と休日のため経済市場がストップしていてあまり大きな記事とはなっていないが、流石に経済紙、日経新聞はトップ記事で最近の下落傾向の円の実力を分析している。日銀によれば、日本の貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は、1973年1月以来約42年ぶりの弱さになっている。その頃は海外旅行をしながらその時々の為替相場を実感していたが、それが現在では最低の円相場とは俄かには信じられない。その年の翌月に変動相場制に移行した時の円相場は300円だったというから夢のようである。これにより輸出業は有利となるが、輸入や海外旅行にとっては厳しい場面である。

 今朝のTBS「サンデープロジェクト」で、アメリカの景気についてオバマ大統領が日本経済について踏み込んだ厳しい見方をしていた。特に決まっていた消費税を先延ばしにしたことや、意図的に金利を抑制していることなどを挙げ、それが好況のアメリカ経済の足を引っ張らなければ良いと自分たちの論理を押しつけていた。流石に司会者もアメリカからそんなことまで言われる筋合いはないような発言があったが、案外アメリカ人の本音を表しているのかも知れない。

 アメリカにとって日本は同盟関係にあり、アジアで最も頼りになる友人だった筈である。ほとんどの日本人はそう信じている。だが、実際には必ずしもそうではないようだ。沖縄基地、在日米軍経費負担問題、広域経済協定、安保問題等々日米間には奥歯の挟まった素直に言えない問題も多いようだ。今安倍政権は日米関係は盤石であるかのように公言しているが、果たしてどうか。日中外交関係や同じく日韓関係でもアメリカは、日本の対応の拙さに舌うちしている。今度の総選挙でも安倍自民党は勝利を収めるだろう。だが、問題はその先である。本当の意味で緊密な同盟関係にあるアメリカと互角で、信頼できる外交関係を構築していけるだろうか。真価を問われるのは、選挙後安定政権がスタートしてからだろう。

2014年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com