2768.2014年12月11日(木) ノーベル平和賞マララさんのスピーチに感動

 現地時間の昨晩ストックホルムとオスロでノーベル賞受賞式が行われた。学者先生の格調高い学問や平和活動に貢献した功績に対する表彰式であるが、どうも近頃は式後の晩さん会や、服装のこと、家族のことなどプライバシーがエンターテイメント風に取り上げられ、当人たちはさぞ迷惑だと感じているのではないだろうか。日本人の物理学賞受賞者3人のうち、名古屋大学大学院の天野浩教授ご一家の微笑ましい言動が、笑いを誘っている。

 その中でオスロの平和賞授賞式でスピーチをした史上最年少の平和賞受賞者、17歳のパキスタン人マララ・ユスフザイさんが一身に世界中の注目を集めていた。今朝の朝日にも受賞演説の要旨が掲載されているが、何と言っても17歳の若さでその一挙手一投足が注目されている中で、堂々と自らの信念を臆せず語れるのは只者ではないという印象を受けた。

 彼女は9月の国連総会でも堂々と持論を述べて喝采を浴びたが、昨日のスピーチでも2年前に女性が働くことや教育を受けることを拒絶するタリバーンから狙撃されたことを逆手にとって、女子と子どもに教育の機会を与えて欲しいと強く訴えていた。

 彼女のスピーチの中にこんな主張がある。「教育は『権利』から『犯罪』になりました。女の子たちは学校に行くのを阻まれました。ですが、私をとりまく世界が突然変わったとき、私の中の優先順位も変わりました。私には2つの選択肢がありました。一つは何も言わずに、殺されるのを待つこと。二つ目は声を上げ、そして殺されること。私は二つ目を選びました。声を上げようと決めました~」

 万死も辞せずこれだけのことを怯むことなく主張できるのは、並大抵の勇気と決断力なんかではない。強い信念と行動力があったればこその発言である。世界中が感動している。未だにタリバーンは彼女を目の上のたんこぶとして彼女を抹殺しようと追い続けている。彼女の身は今も決して安全ではない。それでも危険を冒して自己主張をする。昨日のテレビで3年に1冊しか本を読まないと軽薄な発言をした女子大生は、このパキスタンの少女の爪の垢を煎じて飲むがいい。

 国際労働機関(ILO)によれば、18歳未満で働かされている子どもは地球上に1億6800万人もいて、子ども全体の11%にあたるという。まだマララさんの望む理想にはほど遠いが、今朝の新聞にマララさんについて書かれた本が4冊も紹介されていた。これらがベストセラーになることによってマララ基金の財源が潤い、少しでもマララさんが希望する子どもたちへ教育投資されるなら、この運動は緒に就いたばかりとは言え、少しは先行きにも明るさが見えてくる。そんな時代が早くやって来ることを願うばかりである。

 それにしてもマララさんの物怖じしない態度は、これが17歳の少女の言動かと思うとつくづく感心もし、感動すら覚える。

2014年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com