ご近所のゴミ出しの問題で自治会幹事さんから相談したいとのことで、道路上で立ちん棒のまま話し合うことになった。原因は最近わが家の前の駐車場として使われていた空き地が売却され、新たに7軒の一戸建て住宅が建てられ、各家庭から出されるゴミの置き場所を新築の住人から別の場所へ移転させて欲しいとの要望があったからである。
公道傍の空いたスペースとは言え、自分の家の近くにゴミを置かれては困るというのは誰しも考えることだ。結局各自宅の前に自分専用のゴミ箱を置いて区役所にそれぞれ処理してもらうということになった。最近難しくなった地域の共同利用の問題である。段々住みにくくなるなぁと思わず溜息が出てくる。
さて、明日投開票が行われる衆議院総選挙で巧みに争点から外された、沖縄の普天間基地移設問題が知らない間に沖縄知事の判断で移設案に承認印が押されていたことが分かった。そしてその直後に知事は退職した。
先月行われた沖縄県知事選で現職だった仲井真弘多知事は大差で敗れた。敗因は県民の意思に反して米軍普天間基地を辺野古へ移設することにゴーサインを出したことが致命的だった。全沖縄県民の反感を買うことになり、過去2期8年間も務めた知事職をいとも容易く棒に振ることになった。
その仲井真知事が、知事退職の5日前の今月4日に最後の公務として、最も重要で県民から反対された内容文書を承認することをこっそりやってのけたのである。そして知事公舎を去って行った。どうして県民の反対の意思が明確に示されて間もないのに、敢えて知事は民意に楯突くようなことをやったのか。知事の理念と人格を疑わざるを得ない。知事の判断は、一応法的には認められる。だが、その判断は選挙によって「やってはならないこと」として県民からはっきり否定されたばかりである。それにも拘わらず、法律上問題がないからと言って強引に民意を無視してことを成すというのは、あまりにも県民を愚弄したことにならないだろうか。
他の知事たちと違って、これまで沖縄県知事は県民とともに政府と闘ってきたとの印象が強い。それがこと仲井真知事に至っては、最初は確かにそうではあったが、晩年になって何が原因だか政府に取りこまれて県民を敵に回すことになってしまった。そこにはいわく言い難い政府側へ擦り寄る何らかの理由があったのではないだろうか。沖縄県政史上に残る疑問であり、汚点でもある。