2777.2014年12月20日(土) 東京駅開業して100年

 今から100年前の今日、現在のJR東京駅が開業した。風雪100年と言ったらいいだろうか。関東大震災に耐え、東京大空襲を凌いで、漸く辿り着いた1世紀である。東京駅は全国の他の駅に比べて最もアピール度の高い駅である。あの一等地に駅舎は3階建て煉瓦造りでアート的に見ても格調高い。東京一極集中が叫ばれる中で、列車の出発本数は益々増え、東北本線の上野発着が一部東京駅発着に変わりつつある。一昨年その東京駅内のステーションホテルに宿泊したことがあるが、ホテルはともかく駅施設としては使い勝手は必ずしも良いとは思えない。だが、数ある駅の中の横綱格であることは間違いあるまい。

 この駅が当初からオランダのアムステルダム駅をモデルに辰野金吾の設計により建設されたということから、昨夜の前夜祭には、そのアムステルダム駅長も招待されたと聞く。確かに外観はかなり似ている。だが、私には数年前に改装された韓国のソウル中央駅の方が部分的には東京駅に似ているように思う。前夜祭には、アムステルダム駅長の他に、ニューヨークのグランド・セントラル駅長も招待されたようだが、それなら日韓関係が行き詰まった今ソウル中央駅長も招待すれば、膠着状態の日韓友好がより一層前進したのではないかと思う。

 今朝の日経紙のトップ記事は大きな見出しで「出光、昭和シェル買収へ交渉」と書かれている。企業の大型合併、吸収記事は現下の厳しい経営状況を考えさせる。石油元売り国内2位の出光興産が5位の昭和シェル石油の買収へ向けた交渉へ入ったというものである。もしこれが実現すれば、両者は国内トップのJX日鉱日石エネルギーに迫る。

 遥か以前には、これだけの大型企業の合併はとても考えられなかった。三菱銀行と東京銀行、新日鉄と富士製鉄の合併辺りから大型企業の合併がある程度受け入れられるようになった。それらの大型合併は今でも最も印象に残っているが、その後続々と企業合併が行われ、今では当たり前のようになり、「みずほ銀行」のオリジナル3行の名前すらおぼろげになって来た。株式市場の動きを見てもかつてのように安定的に値動きするのではなく、急転直下の大変動という言葉がぴったり来るような目も離せないような時代になった。

 もうひとつ大きなニュースは、近日公開予定だった「The Interview」を製作したアメリカのソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(SPE)社が大規模なサイバー攻撃を受けたことから、その映画の公開を中止することになった。この映画は、北朝鮮の金正恩第一書記を暗殺するコメディだった。公開中止についてオバマ大統領が北朝鮮への対抗策について適切な時期に相応の対策を取ると語ると同時に、この公開中止の判断は誤りだったと述べた。だが、SPEは反論し、劇場側が申し出たことであり、自分たちは精いっぱい公開するよう努めてきたと言い、どうも話が噛みあわない。だが、製作者側がハッカーとその背後に潜む北朝鮮の脅しに屈した格好になり、言論・表現の自由が侵されたことに民主国家と自由主義のリーダーを自負するアメリカ政府としては、思いがけない不愉快さと理不尽さを感じていることだろう。ややこしい問題である。

2014年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com