4491.2019年8月29日(木) 道理が通らない国家と国情

 このところ厳しい自然災害に襲われ大きな被害が出るケースが多くなった。一昨日から九州北部を襲っていた記録的な大雨が、佐賀県内で大暴れしている。明日も大雨の予報が出ている。佐賀県では床上・床下浸水が県内各地で発生していて全容を把握しきれていないという。特に、今度は自然の豪雨に加えて、ある鉄工所から油が流失し、それが豪雨とともに田畑や住宅地帯に広がって行ったので、今後衛生面、汚染面で課題が残されている。気温も上下が激しく、すっきりした陽気にはならない。

 こんな時アマゾンでは自然火災が燎原の火の如く広がり、世界の酸素のうち20%を排出している原生林が危うくなってきた。昨日閉幕したG7では、消火に手を拱いてきたブラジルのボルソナーロ大統領の消火活動への消極的な姿勢を批判し、自然保護のためにG7 としてブラジルへ21億㌦の支援を決めたが、何がお気に召さないのか大統領はこれを断った。それでもブラジルは軍隊を派遣して消火作業に当たるようになった。現在のアマゾンのジャングルで野放図に開発を続けていけば、ブラジル人だけでなく地球上すべての人々が乱開発のとばっちりを受けることになるだろう。

 さて、今日文在寅・韓国大統領の発言の中に日韓対立に至った原点とも言える表現があった。やはり大統領は自らの発言に基本的な理解の中に解釈の間違いとか、誤解、或いは矛盾があるということに気が付いていないらしい。それは次の言葉に籠められている。

 「過去の過ちを認めず、反省もせず、歴史を歪曲する日本政府の態度が被害者を傷つけている。一度反省したから、一度合意したからといって、過去のこととして終わるものではない」。

 前文はともかく、後文が特に問題である。約束は破っても好いと言っているようなものだ。普通なら一旦約束した以上それを守ることが相手に対する信義であると理解し、極力一度交わした約束を遵守しようとするものだ。ましては国家同士の約束であるなら相手国民への敬意、信頼の点から国家は命がけで約束を守るのが当然の責務である。それにも拘らず国家の最高指導者が「一度合意したからといって、過去のこととして終わるものではない」として合意自体意味のないものであるかのように発言しているのであれば、もう信頼も何もあったものではない。これでは日韓協定はどの分野においても、いずれは守られない意味のないものだと言える。国家間の相互協定を締結することは出来ないということになる。今日の大統領の発言は、日本のみならず、韓国と協定を結ぼうとしている国々にとっても大いなるショックであると思う。

 偶々今日韓国では、収賄罪の容疑を問われ弾劾により職を辞した朴槿恵・前大統領の最高裁上告審が開かれ、二審の懲役25年、罰金200億ウォン(約17億4千万円)の実刑判決を破棄し、ソウル高裁に審理を差し戻す厳しい判決があった。それにしても大統領受難の国である。

2019年8月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com