4490.2019年8月28日(水) GSOMIA廃棄で日韓関係更に悪化

 先日来日韓両国間の対立がエスカレートして両国が自己主張するばかりで解決の見通しが立たず、東アジアで日米間同盟の連携を図っているアメリカも頭を痛めている。韓国国内では反日感情が高まり、日韓関係は戦後最悪の状態にある。更にここに来て韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を日本政府に通告した。これが日韓関係のみならず、世界各国へ大きな波紋を投げかけている。これにはアメリカも韓国を非難している。これはアメリカを始めとして当事国の日韓両国に不利益をもたらすばかりでなく、中国、ロシア、北朝鮮を利することになるとの見立てがある。

 韓国政府は、日本が輸出管理の見直しと称して、韓国をホワイト国から除外したことがGSOMIA を破棄した理由だと述べ、日本がホワイト国から除外する方針を撤回するならGSOMIAをこのまま継続すると述べた。しかし、日本政府はホワイト国除外は経産省がらみの貿易問題であり、防衛省がらみの安全保障上の問題であるGSOMIAとは別次元だとして、取り合おうとしていない。

 昨日になって突然文在寅大統領の側近である曺国氏の娘さんの不正入学スキャンダルが公になった。曺国氏は次期法相に内定している重要人物だけに、メディアからはGSOMIA破棄決定について、文政権が曺国氏スキャンダルから国民の目を逸らすためだと批判している。

 こんな首を傾げるようなこともある。考えられないのは、韓国機張市で開催される野球のU18W杯に出場する日本代表チームが、日韓関係の冷え込みに配慮してチーム全員が日の丸マークが付いていないポロシャツを着て今日韓国入りした。しかし、ここまで気を遣う必要があるのか、疑問を感じる。例えポロシャツから日の丸を取り外しても、試合では国歌斉唱も国旗掲揚もあるだろうし、着用するユニフォームには、‘JAPAN’と日の丸が付けられている筈で、高校生スポーツにまでこんなことに気を遣うのは、本末転倒だと思う。

 昨今は世界的にも他国に配慮しないわがままな風潮が目につく。フランスに世界の首脳が集まったG7サミットが一昨日閉幕したが、相手国に気遣いしない主張するだけの首脳外交の場となってしまった。今年は首脳宣言が出されず、5項目だけの簡単な合意文書を採択しただけで終わった。昨年カナダのG7では、トランプ大統領が会談後立つ瀬がなかった議長国のマクロン大統領は、言い訳ざんまいに記載内容より首脳間の議論を重視した結果だと話していた。このままだとG7の影響力が弱くなるばかりである。来年のG7 はトランプ大統領のおひざ元で開催されるが、存在感を示してくれるだろうか。

 米中戦争は一向に解決する見通しが立たず、今世界は自国第一主義に凝り固まって相手国の考えを聞こうとの姿勢が見えない。すべてのムードに絡んでいるのはトランプ大統領である。日韓関係にも当分解決の明るい兆しは見えない。実に寂しいことである。

2019年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com