4483.2019年8月21日(水) トランプ大統領の身勝手な思惑と対外的迷惑

 ほら吹きおやじのトランプ大統領が、またまた無責任なツィッターを流した。本職とも言える不動産屋の地が表れたのか、北極海に近いデンマークの自治領グリーンランドを購入することが出来れば戦略的に興味深いと語った。更にデンマークの財政負担を軽減出来る可能性についても余計なおしゃべりもした。当然この無責任なトランプ発言に対して、デンマークのフレデリクセン首相は即座に反応し、自国領土をアメリカに売却する可能性はないと突っぱねた。他の北欧諸国からも呆れられている。ところが、これに直ぐトランプ氏も意地悪な反応をした。近々予定していたデンマーク訪問と首脳会談を延期するとツィッターに書いた。この子供じみた無責任大統領には、いつもながら困惑させられる。

 一昨日アメリカが中距離ミサイル発射実験を行ったのも、アメリカが一方的に脱退を宣言した中距離核戦力全廃条約(INF)の失効から一歩踏み出したものである。更に地球温暖化防止のためのパリ協定から勝手に離脱したのもアメリカ、否トランプ大統領の他国の事情を配慮しない「アメリカ・ファースト」の我が儘である。

 近年北極海の氷が溶けだしているのも地球温暖化のせいである。少しでもそれを防止するために今CO₂ガス排出を抑えなければならない。CO₂ガスを排出する飛行機から鉄道利用を推進する動きが表れているらしい。その動きに逆行するトランプイズムの鼻を明かすような計画が実行された。民間人が大西洋をヨットで横断する企画がアピールされている。僅か16歳にして環境活動家のトゥンベリさんというスウェーデン人少女が、父親らとともにイギリスのプリマス港から大西洋を横断してニューヨークへ向かった。国連本部で開かれる気候サミットへ出席するという。この計画では飛行機に乗らないことが大きなアピールである。実は、昨年国際線航空機が排出したCO₂ガスは、世界のエネルギー関連CO₂排出量の約2%を占めた。こういうアンチCO₂情報が広く啓蒙されるようになれば、これからCO₂ガスを排出しない長距離列車や夜行列車の利用者が増えるかも知れない。

 さて、香港のデモについて現時点では中国の武力的介入はないが、介入が懸念されていることは間違いない。中国政府にとってこの問題に対する対応は微妙で、下手に行動すれば世界中から非難の矛先を向けられるのは避けられない。そこでどんな手を打つか注目されているが、現在どうも普通ではない方法が考えられているようだ。

  例えば、香港テレビ局記者に変装した中国人がデモ現場に出没したり、デモ隊のイメージダウンを狙ったフェイク・ニュースがツィッターやフェイスブックで大量に流れている。それらはデモ隊の暴力行為を強調する内容で香港在住の人が発信したように装っているが、短い文章中に英語の文法上の間違いがいくつも含まれているなど香港人らしからぬ、真っ当な情報に思えないものが多いようだ。これらの情報は事実を正確に把握しておらず、その背後には中国当局の関与があると見られている。

 日本の香港情勢対応については、昨日訪中している河野太郎外相が、北京で王毅外相と会談の折、抗議デモが拡大し中国が武力介入を示唆していることに憂慮を伝え、早期の対話を通じて問題が沈静化するよう期待感を示した。果たして河野外相、及び日本政府の期待を中国はどう受け止め対応するだろうか。

2019年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com