妻が旧蝋素晴らしいオペラのニューイヤー・コンサートがあると申し込んだところ、幸運にも良い席が当たったと楽しみにしていたオペラ・アリア・コンサート「華麗なるオペラ・アリアの世界」へ出かけた。妻はこのところ昨年の出版記念会以来すっかりお気に入りの和服姿で観賞した。確かにシートも「サントリーホール」1階の最前部から10列目という絶好のポジションだった。妻には得意げに、2002年にヴェローナの野外劇場でオペラ‘アイーダ’を観劇して以来の好ポジションだと自慢話をした。アリアは、現在日本のオペラ界で輝いている4人のオペラ歌手、ソプラノ森麻季、メゾ・ソプラノ林美智子、テノール水口聡、バリトン堀内康雄が唄った。
オーケストラは梅田俊明指揮の東京フィルハーモニー交響楽団、司会兼コーディネーターは元テレビ朝日アナの朝岡聡だった。昔テレビ朝日の「ニュースステーション」で久米宏のアシスタントを務めていた懐かしい人である。話し方も上手に解説を加えながら分かりやすくナビゲートしてくれた。
やはり一流のアリアを目の前でじっくりと生で聴くと1人ひとりが素晴らしい。その声量とテクニックに圧倒された。演目がすべて終わったが、拍手は鳴り止まなかった。アンコールをやってくれるかなと内心期待していたところ、突然オーケストラの「ラデツキー行進曲」が始まった。聴衆が演奏に拍手で合せて場内は盛りあがった。ウィーン・フィルハーモニー恒例のニューイヤー・コンサートの華やかな幕引きを思い起こさせるかのようだった。
時にはこういう本物歌手の歌声を直に聴くのは楽しいものだ。これからも時々は、機会を見つけて格調高いクラシックを楽しみたいと思う。
さて、26年前の今日、昭和天皇が崩御された。偶々鵠沼の実家でそのニュースを耳にして、恐れ多くもその日予定されていた全国高校ラグビーの決勝戦が気になった。結局その日の優勝決定戦は取り止めになり、決勝戦へ駒を進めた大阪工大高(現常翔学園高)と茨城県代表校・茗渓学園高がともに優勝という結果になったことを思い出す。
今日行われた今年度の決勝戦は、圧倒的な強みを発揮した東福岡高が57対5で御所実高を一蹴した。途中までテレビで観ていたが、決勝戦でこれほど力の差がつくと勝負としては興味が薄れる。東福岡高は3年ぶり5度目の全国制覇に加えて、春の選抜大会、夏の7人制大会、そして今日の全国大会を制覇して史上初の3冠達成である。決勝戦の57得点も史上最多得点である。お祝いすべきことであるが、ファンからすれば期待が空回りさせられたような気がすると言っては、優勝した東福岡高に失礼に当たるだろうか。来年度はもう少し接戦を期待したいというのが、無責任なファンの願いであり本音である。