4457.2019年7月26日(金) 韓国、WTOへ日本提訴も空振り

 とにかく今年の夏は雨続きで今週に入ってから漸く夏らしく蒸し暑くなってきた。九州、西日本地区では漸く梅雨明け宣言がなされた。そして、都内ではこの数日夏日となったと思いきや、小笠原諸島近海に発生した熱帯性低気圧が台風6号となって、明日から明後日にかけて関東地方を襲うという予報である。明後日は柏市内で小学校時代のクラス会が催されるが、悪天候がやって来ないことを祈るばかりである。

 さて、現在日韓関係に亀裂が生じて過去最悪の状態に陥っている中で、現時点における最大の懸案事項は、韓国が主張する日本政府による韓国への半導体輸出管理強化が、経済面で世界的影響を与えるとして「日本はWTOルール違反を犯した」と世界貿易機関(WTO)へ提訴したことである。

 一昨日閉会した世界貿易機関(WTO)理事会へ日本が韓国に対して半導体などの製造に使う材料の輸出規制を厳しくしたことを元徴用工訴訟判決への報復だと反発して韓国から提訴された問題について、日韓両国が主張した他にはいずれの国からも発言はなく、当事国である日韓両国で協議することになった。結局韓国の空振りのような結果となった。

 しかしながら、問題はそのまま先送りされただけで、根本的な解決には至っていない。

 そもそも戦前の植民地政策に基づく歴史問題が両国間には長く引きずられてきた。1965年の日韓請求権協定でそれらはすべて解決済みと両国が了解した。その後旧従軍慰安婦問題が持ち上がって来た。しかし、これも2015年12月日韓合意の締結により日本の寄金による旧従軍慰安婦助成のための財団を設立することによって、旧従軍慰安婦問題を解決すると最終的な解決を約束した。

 しかし、現在の文在寅政権になって、韓国はこの国家間の約束を無視して旧従軍慰安婦問題を蒸し返している。これではいくら国家同士が話し合いをして解決策を見出しても、一方的にそれを反故にしているようでは、永久にこの問題は解決しないだろう。

 韓国にはかつて「韓国は法治国家か」と疑問を呈した梁承泰・前最高裁長官のような気骨のある人物もいた。彼は「人を罰する材料を探し出すための捜査は法治国家を破壊し、憲法に反する。それこそ権力の乱用だ」と国家の在り方を厳しく批判した。今の文大統領は、このような理念を持ち合わせていないのだろうか。

 この問題で日韓両国には、日本商品不買運動や、交流の中止など思いがけないマイナス要因が発生している。特に両国間のチャーター便飛行が中止されたり、新潟県や、神奈川県大和市の中学生派遣による文化交流が直前にキャンセルされて折角事前準備に当たって来た関係者を失望させている。国家レベルの対立が、一般国民の文化交流まで妨げるようなことは断固あってはならない。政治家はよくよくこの点を心しなければならないと思う。

2019年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com