4456.2019年7月25日(木) 参議院比例区の「特定枠」って何だ?

 参議院選挙が終わったが、恥ずかしながら未だに細かい点で理解出来ないことがある。その最も理解しがたいのは、比例区の「特定枠」立候補者に関する取り決めである。得票順に当選が決まる非拘束名簿式の別枠として、候補者の得票数にはかかわらず上位に扱われて推薦党への得票が割り当てられるようだ。
 今回初めて導入された特定枠とは、合区で選挙区から立候補できなかった候補を救済する目的で自民党が主導したものであり、優先的に当選させたい人を政党が事前に決めるシステムだという。特定枠で出馬した候補者は、個人としての選挙活動を制限されポスターの掲示も禁止されている。自民党は「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区が対象となり、選挙区に候補を出せなかった島根と徳島両県を地盤とする新人と現職がこの恩恵を受けて当選した。

 一方今回話題になった「れいわ新選組」からも障碍者2人がこの制度に乗り議員に選ばれた。ALS患者の舩後靖彦氏と脳性マヒの木村英子氏の2人である。ともに大きな車いすを使用する。この2人を議員として送り出すことになった「れいわ新選組」代表の山本太郎氏は、個人的に飛びぬけて大量の100万票近い得票があったにも拘わらず、落選ということになった。この辺りの説明がなされていない。特定枠で当選した自民党議員も、「れいわ新選組」の2人の得票も公表されていない。100万票を獲得した代表の山本太郎氏が落選となった経緯と結果については、どこのメディアでも報道していない。事情が複雑な選挙だったことは分かるが、今回の選挙は国政でもあり誰もが分かるようにもっと丁寧に説明すべきではないだろうか。こういう不親切が若者の不投票にしてしまうのではないだろうか。

 ところで参議院選挙で自民党は、勝つには勝ったが、理想の予定数には達しなかったようで、過半数は抑えたが、改憲発議に必要な2/3(164名)には届かなかった。参議院の自民党現有勢力113名に公明28名、維新16名、保守無所属3名を加えてもまだ届かない。

 そこで安倍首相は、「日本維新の会と国民民主党が統一会派を結成して欲しい」などとふざけたことを言いだした。公明党には、憲法改正反対論者が多い。そこで21名を有する国民民主党を取り込もうとしたのだろうか。撚りによって急速に話題の核になった「れいわ新選組」に国民民主党が秋波を送っている最中にである。

 政治と政治家というのは、普通の常識では考えられないようなことをやるものだ。よく分からない人種である。

2019年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com